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『“Frank” and I 』2部第13章: フランシス、調子に乗る【英国スパンキング小説】

― お仕置き部屋。― イタリア旅行。― フランシス、調子に乗る。― 尻軽女はお尻ペンペン。― 子どものように罰せられるレディ。
フランシス、調子に乗る

― お仕置き部屋。
― イタリア旅行。
― フランシス、調子に乗る。
― 尻軽女はお尻ペンペン。
― 子どものように罰せられるレディ。

 月日は流れ、春と夏が過ぎて、再び秋がやってきた。

 僕はオークハーストとセント・ジョンズ・ウッドを行き来しながら、どちらにも偏らないよう時間を過ごしていた。そして全体として、自分なりに満足のいく楽しみ方ができていたと思う。

 フォードと一緒に、レズリー夫人の館を何度か訪れた。行くたびに異なる演出のタブローが用意されており、中にはかなり変わった趣向のものもあった。特に、鞭打ちの場面では、女優たちが黒人の血が入った少女に見えるように衣装や肌の色を工夫したりもしていた。

 ある午後のこと、フォード(と僕)が大いに喜ぶ光景があった。女の子の1人エセルが何かの過ちを犯したとのことで、なんと実際にレズリー夫人からバーチで打たれたのだ。

 そのときはタブローとしての演出は行われず、館の最上階にある「お仕置き部屋」と呼ばれる広い部屋で、リアルなお尻叩きの罰が執行されたのだった。

 部屋はしっかりと調度が整えられ、分厚いカーペットが敷き詰められていた。壁には大きな鏡が掛けられ、扉や窓とともに、重厚なタペストリーで覆われていた。そしてその室内には、「鞭の愛好家」であれば誰もが満足するであろう、あらゆる道具が揃っていた。部屋の中には、クッション付きの馬や傾斜のついたベンチ、長短さまざまなはしご、鞭打ち台、手首や足首を固定するための金具付きの柱などが設置されていた。

 そして、タペストリーで覆われた壁には、さまざまなサイズのバーチロッドや各種のウィップ、革製のトーズ、長さも幅も異なるストラップ、さらに長い柄のついた平たく丸い木製のスパンカーなどが、整然と吊り下げられていた。

 その場に居合わせたのは、フォードと僕のふたりだけだった。僕たちが席に着くとすぐに、レズリー夫人は、すすり泣いている若い娘を、鞭打ち台の上にうつ伏せにさせ、手首と足首を素早く縛りつけた。そして次の瞬間には、彼女の短いペチコートはまくり上げられ、ドロワーズは下ろされていた。

 それからレズリー夫人は、小ぶりだが鋭くしなるバーチで、彼女のお尻に12発、容赦なく打ち込んだ。その白くふっくらとした小さなお尻は真っ赤になり、みみず腫れが広がり、娘は甲高い悲鳴を上げた。レズリー夫人は鞭の扱いに長けていたので、その動きには優雅さすら感じられた。

 全体として、とても見事で洗練されたお仕置きだったと言えるだろう。それがあまりに刺激的だったせいで、フォードはすっかり興奮してしまい、お気に入りのローズを呼ばせると、すぐに彼女を連れて寝室へと引き上げていった。

 僕はといえば、なんとか自分を抑えることができた。とはいえ、女の子たちのあまりに艶めかしい戯れに気持ちをかき立てられ、それから2度ほど、娘を抱いてしまったことがあった。

 しかし、どちらの相手も心から楽しめたとは言えず、そうしたあとは決まって、以前にも増して強い思いを持ってフランシスのもとへ帰っていた。その2度だけを除けば、僕はずっとフランシスに誠実であり続けたのだ。

 僕たちはとても良い関係を保っていた。彼女は決して僕を煩わせることなく、いつも変わらず愛情深かった。けれど、そんなに愛してくれていながらも、どこかで僕のことを少し保護者として見ていたのかもしれない。それも無理はない。というのも、僕が彼女を引き取った日からずっと、彼女は完全に僕の庇護下にあったのだから。それに、僕は彼女より16歳近く年上だった。

 いずれにせよ、彼女は自分をまだ「しつけられる」対象であると考えているようだった。だからごくまれに彼女が僕の気に障るようなことをしたときには、僕は遠慮なくしっかりとお尻ペンペンを執行した。彼女は決して文句を言わず、僕が指示した姿勢を素直に取った。時には、自分でドロワーズを下ろし、ペチコートをまくり上げて、罰を受ける準備をさせることもあった。そして、たいていは涙を流すほど痛がらせたにもかかわらず、彼女はいつも非常に従順な態度でそのお仕置きを受け入れた。

 もっとも、僕は大いに満足だったとはいえ、彼女は喜んではいなかった。だが、彼女が怒りを見せたことは一度もなかった。痛みがひいてくると、彼女はドロワーズの紐を締め直し、涙をぬぐって、静かに椅子に腰かけるのが常だった。むしろ、しっかりペンペンした後の方が、彼女は僕にいっそう愛情深く接してくるようにさえ感じられた。「女と犬とクルミの木は、叩けば叩くほどよく育つ」なんていう諺もあるが、案外一理あるのかもしれない。

 彼女は音楽が好きで熱心に練習していたので、なかなか上手に弾けるようになっていた。それに加えて、水彩画にも興味を持つようになり、ピアノや絵の道具、それから本があれば、僕の留守中もいつも上手に過ごしていた。


 時は過ぎていき、僕はかねてからの約束通り、この冬フランシスを海外に連れて行くことにしていた。それで12月の初め、彼女に「どの国に一番行ってみたい?」と尋ねてみた。すると彼女は即座に「イタリア」と答えた。絵を描くようになってからというもの、ローマやフィレンツェの美術館をずっと見て回りたいと憧れていたのだ。

 そうして数日後、どんよりと寒さの染みる12月の午後、陰気でもの悲しい空気に包まれたロンドンをあとにして、僕たちは晴天の南国への旅を始めた。ドーヴァーで蒸気船に乗り込み、海峡を渡るその瞬間から、フランシスはもう胸を躍らせていた。すべてが彼女にとってまったく新鮮で、見知らぬ世界だったからだ。

 ローマへとゆっくり旅を進めるあいだ、見るものすべてに無邪気に喜ぶ彼女の姿を眺めているのが、僕にはとても愉快だった。僕自身は以前にローマを訪れ、ひと通りの名所はすでに見て回っていたのだけれど、フランシスのように聡明な相手と一緒にもう一度その土地を歩くのは、やはり格別だった。彼女は多くの点でまだ子どもらしさを残していたけれど、「永遠の都」の古代遺跡には心から興味を持っていて、それがとても嬉しかった。彼女はローマ史を熱心に読んでいたので、パンテオンやコロッセオ、カラカラ浴場、その他の有名な遺跡については、僕よりも詳しくなっていた。

 ローマのあとはフィレンツェへ向かい、フランシスの大喜びするなか、僕たちはフィレンツェとウフィツィの両美術館をじっくり見て回った。彼女は僕よりもずっと芸術肌で、僕がときどき絵に飽きてしまうようなときでも、彼女の興味は尽きることがなかった。でも、彼女の熱意に水を差したくなかったので、僕たちはゆっくりと館内を歩き回った。フランシスは僕の腕に寄り添い、夢見るような表情で頬を紅潮させ、目を輝かせていた。絵に対する彼女の熱心さは、決して冷めることがなかった。

 それから僕たちはヴェネツィアへ向かった。そこは彼女にとって新鮮な喜びで、月明かりに包まれた美しい夜、ゴンドラに乗って僕と一緒に街を巡ることに、彼女は決して飽きることがなかった。漕ぎ手からは僕たちの様子は見えなかったので、彼女はよく僕の膝に腰かけて、バイロンの詩をいくつかそらんじて聞かせてくれた。そして時折、彼女が僕の膝に座ったまま、僕はそっと愛し合った。イタリアの穏やかな夜、ヴェネツィアの運河の上で――愛らしい恋人を腕に抱いて過ごすそのひとときは、とてもロマンチックで、甘く夢のようだった。

 僕たちはその後ナポリや南イタリアを旅し、最後にニースへ向かった。僕はしばらく滞在するつもりだった。モンテカルロで少し遊んでみたかったからだ。

 僕は良いホテルにスイートルームを取り、長旅のあとの落ち着いた滞在に向けて、しばらくのあいだ腰を据えることにした。そのホテルには、さまざまな国から来た客が大勢泊まっており、妻であるフランシスと僕は、すぐに多くの知り合いをつくった。男女ともにいたが、特に男性のほうが多かった。というのも、フランシスはホテルにいたほかのどの女性よりも目を引く存在で、彼女たちは少なからず嫉妬しているようだった。

 事実、彼女は他の誰よりもずっと美しく、服のセンスも抜群だった。たとえ滞在していた中に、洒落たアメリカ娘たちがいたとしても、それは変わらなかった。男たちは皆、”僕の女” にとても親切にしてくれた。

 そして僕はすぐに気づいた。彼女は、人からちやほやされるのがとても好きなのだと。

 もっとも、それも無理はない。自分が美しい女性だという自覚は彼女にもあったし、それまでの人生で、僕以外の男とほとんど会話すらしたことがなかった。だから、突然周囲にたくさんの男性が現れ、彼らから賞賛されるようになったせいで、少し舞い上がってしまったのも当然かもしれない。

 僕たちはピクニックに出かけたり、郊外への遠乗りの会を企画したりしていた。そうした場ではいつも、フランシスのまわりに若い男たちが何人も群がっていた。彼女はあっという間に、まるでロンドンの社交界を長く経験したような洗練さを身につけていった。

 とはいえ、僕には分かっていた。彼女のそんなふるまいは、あくまでも無邪気なものだった。それは単に、女性としてごく自然な「男に好かれたい」という気持ちの表れにすぎなかった。それに、そんな彼女の様子を見るのは、どこかおかしくもあった。だって、僕が育てたあの子、いや、今でも僕にお尻ペンペンされている子が、取り巻き紳士を引き連れて、ドヤ顔しているのだから。

 一方で、あまりに目立ったふるまいをしてほしくはなかったので、僕はあるとき、静かに彼女に話をした。軽い火遊び程度なら、楽しむのは構わないよ、と伝えたうえで、でも、いくつかの点ではもう少し気をつけなければならないとも言った。そうでないと、他の女性たちの噂の標的になってしまうかもしれないから、と。

 僕の話を聞いて、彼女はとても驚いた。というのも、女性同士の悪意ある目線というものをまったく知らなかった彼女は、自分の無邪気な男遊びが注目されるなんて、これっぽっちも思っていなかったのだ。

 彼女は、自分の振る舞いが軽率だったのはすべて無知ゆえであり、たくさんの男性に囲まれるという状況に慣れていなかったせいだと認めた。そして、これからはもっと気をつけると約束してくれた。

 彼女は数日のあいだは約束を守っていた。しかし、やがて僕の忠告などすっかり忘れてしまったかのように、以前と変わらず、まったく無邪気に、そして堂々とふるまうようになった。

 僕はときどき彼女をモンテカルロへ連れて行き、ある程度の金額を渡して、カジノで運試しをさせていた。彼女はとても嬉しそうだった。というのも、他の多くの女性と同じように、フランシスもまた賭け事が大好きだったのだ。けれど彼女は、持っていたお金をいつもあっという間にすってしまい、それから何事もなかったかのような顔で、平然と僕のところへお金の無心に来るのだった。

 僕のほうはというと、たまにツキが回ってくることもあり、全体としては少しばかり勝ち越していた。とはいえ、大きく儲けたというほどではない。僕はギャンブラーというわけではないけれど、たまにカジノで遊ぶのは好きだ。

 そのようにして日々は過ぎていき、フランシスは相変わらず取り巻きの男性たちと気ままに楽しんでいた。

 けれど、僕が少し気にかかっていたのは、そのうちのひとり、ブルックという名の、25歳くらいのハンサムなイギリス人青年だった。彼は他の誰よりも彼女に近づき、明らかに度を越えた関係を築こうとしていた。そして、フランシスのほうも、彼と一緒にいるのがまんざらでもない様子だった。僕は、フランシス自身にはやましい気持ちがまったくないことを確信していた。けれど、ブルックのほうには、何か企みがあるに違いないという気がしてならなかった。だから、彼女に対して、あまり彼と親しくしすぎないほうがいいという僕の考えを、それとなく伝えることにした。

 その日はとても穏やかな午後だったので、僕は彼女に「一緒に散歩に行かないか」と声をかけた。彼女はすぐに帽子をかぶり、ふたりでホテルを出た。そして僕たちは海岸まで足を伸ばし、大きな岩の陰に腰を下ろした。そこはちょうど、他の人からは完全に見えない場所だった。乾いた砂の上は温かく、座って話すにはぴったりだった。 

 目の前には、まるで宝石のように穏やかに広がるサファイア色の海がどこまでも続き、ところどころに、ヨットや沿岸航行の小舟の白い帆がぽつりぽつりと浮かんでいた。背後には、僕たちの座る砂浜の縁を彩るようにオレアンダーが並び、所々にヤシの木が風に揺れていた。さらにその奥には、淡い紫を帯びた山々がなだらかに連なっていた。

「フランシス」と僕は言った。「ブルック氏と、あまり頻繁に一緒に行動するのはやめたほうがいい。君にやましい気持ちがないのは分かっているけれど、彼がいつも君のそばにいるのは、僕としては好ましく思っていない。それに、周囲でも少しずつ噂が立ち始めているんだ」

 彼女は僕の手を取り、澄んだ青い瞳で僕の顔を見上げた。

「チャーリー、私とブルックさんのことで、そんなふうに噂されるなんて、ひどい。確かに彼のことは、他の男の人たちよりも気に入っているけど……だって、とても感じのいい人だし。でも……チャーリーへの愛とは、話が違うじゃない」

 そう言いながら、彼女は僕に身を寄せ、薔薇色の唇をそっと重ねて、長いキスをくれた。

「君が僕のことを一番愛してくれているって、信じてるよ、フランシス。君のことは心から信頼している。だけど、だからこそ、僕の言うことはちゃんと聞いてほしい。ブルックに、あんなふうにいつも君のあとをついて回らせるのは、やめさせてほしいんだ」

 彼女は真剣な表情で、これからはあの青年とは距離を取ると約束してくれた。僕はその言葉に応えるように彼女にキスをし、それからふたりで、美しい田舎道をゆっくりと散歩した。

 僕たちは恋人のように手をつないで、フクシアやバラが咲き誇る生け垣のあいだを歩いた。紫のぶどうの房がたわわに実る葡萄棚をくぐり、黄金の果実をつけたオレンジの木々が並ぶ庭先をかすめて進んでいった。そして、ちょうどディナーに間に合う頃、ホテルに戻ってきた。

 翌日、僕は彼女を連れてモンテカルロへ行った。そこで僕たちは数時間をとても楽しく過ごし、ホテルで食事をとり、夜にはカジノで少し遊んだ。さらに次の日、僕は彼女を連れてモンテカルロへ行った。そこで僕たちは数時間をとても楽しく過ごし、ホテルで食事をとり、夜にはカジノで少し遊んだ。

 一週間が過ぎ、僕は安心した。フランシスは相変わらず取り巻きの男性たちと軽く戯れることはあったが、もうブルックにだけに構うことはなくなっていたのだ。僕は彼女の様子に十分満足し、日々は穏やかに過ぎていった。

 だが、残念ながらその静けさは長くは続かなかった。ブルックは明らかにフランシスに強く惹かれており、二人きりになる機会を虎視眈々とうかがっていたのだ。

 さらに数日が過ぎたころ、彼女がまたしてもブルックといつも一緒にいるようになったことに僕は気づいた。そして何よりも腹立たしかったのは、他の女性たちが呆れて肩をすくめたり、彼女を冷ややかな目で見たりするのを、僕が何度も目にしたことだった。

 ある晩の夕食のあと、フランシスは薄暗がりのベランダで、ブルックと長いこと話し込んでいた。僕はすっかり腹を立てた。けれど、場を荒らしたくはなかったので、何も言わずにホテルの部屋へと引き上げた。そして、彼女が戻ってきたら、しっかりと言うべきことを言ってやるつもりだった。

 ……いや、言葉だけでは足りないだろう。

 15分くらいして、彼女が部屋に戻ってきた。

 僕はまだかなり苛立っていたのだけれど、それでも、彼女のあまりの美しさに思わず見とれてしまった。彼女は、絹とレースを巧みに組み合わせた衣装を身にまとっていた。それはまるで霞のように、彼女の優雅な体の線をふんわりと包んでいた。どの部分も、寸分の狂いなく、そして完璧なセンスで仕立てられていた。彼女の頬は、バラの花びらのようにかすかに紅く染まり、白く美しい腕と肩はあらわになっていた。彼女はにこやかに微笑み、大きな青い瞳は楽しさにきらきらと輝いていた。

 彼女は椅子に尻を下ろすと、小さな足を前に伸ばし、洒落た靴のつま先を見つめながらこう言った。

「ねぇチャーリー、ブルックさんのお話、とっても面白いの」

「そうだろうな」と僕は怒りを抑えきれずに言った。

「君はずいぶん楽しそうにあの若造と過ごしてたみたいだな。あいつとそんなに親しくしないようにって言ったはずだが、どうして言うことを聞いてくれないんだ?」

「そんなにイライラしないでよ。彼が私を気に入って、話しかけてくるのも私のせい?」

「いや、だからといって、あんなにあからさまにいちゃつく必要はないだろ。君の行動はあまりにも軽率すぎるし、そのせいで僕は笑いものになっているんだ。本気で腹が立っている。だから、きつくお尻をペンペンすることに決めた。そうすれば、少しは自分のふるまいに気をつけるようになるかもしれない。どうも君は、僕が何を言っても、まるで気にもとめていないようだからな」

 彼女の表情は一気に曇り、目には涙があふれた。

「やだ! そんなのひどい!」と彼女は叫んだ。
「今夜はずっと幸せな気分でいたのに……ブルックさんと話してただけで、そんな悪いことをしたわけじゃないじゃない。それなのに、お尻ペンペンだなんて!」

「いや、ペンペンだ」と僕は言った。「それに言っておくけど、今後ブルックといちゃついているのを見る度に、ペンペンだからな」

 フランシスはすすり泣きながら、訴えるような目で僕を見つめたが、僕の決意は揺るがず、厳しい声で命じた。

「ドロワーズを下ろして、服をめくって、ソファに横になりなさい」

 フランシスが僕の言いつけにすぐ従わなかったのは、これが初めてだった。両手を胸の前で固く組みながら、涙声で訴えた。

「私、もうレディじゃない…… 子どもみたいにお尻ペンペンだなんて……あんまりよ」

「君は、いろんな点でまだ子どもっぽい。だからこそ、しっかり躾けられるべきなんだ。さあ、お仕置きの準備をしなさい。早くうつ伏せになるんだ」

 大粒の涙が頬をつたって流れ始め、彼女は深いため息をひとつついた。けれど、それ以上何も言わずに、彼女は手を服の中へ差し入れ、ドロワーズの紐を外した。それから、繊細なスカートをすべて腰の上までたくし上げ、ソファの上に体をまっすぐ横たえた。

 僕は左腕で彼女の腰をしっかり押さえつけながら、ピシャリと勢いよくお尻を叩き始めた。涙が彼女の頬を流れ落ちる。彼女はすすり泣き、うめき声をもらしながら、ヒリヒリする痛みに身をよじった。張りのあるその尻肉にビンタが叩きつけられる度に、まるで銃声ような鋭い音が部屋に響いた。

 だが彼女は、忍耐強さでそのお仕置きを受け止めた。叫び声を上げることもなく、逃げようとするそぶりも一切見せなかった。僕が叩くのをやめたとき、20発以上のペンペンを受けたフランシスの美しいお尻は、真っ赤に火照っていた。

 僕はフランシスを立ち上がらせた。彼女はドロワーズを引き上げ、腰のまわりで紐を結び直し、レースの縁がついた薄手のハンカチで目元をそっと拭った。しばらくして彼女は僕のところにやって来て、小さく赤い唇を差し出しながら言った。

「怒らせちゃって、ごめんなさい。これからはもっと気をつける。だから、キスして」

僕は、愛しい彼女のほのかに香る唇にキスをした。それからふたりでベッドに入り、しばらくすると、彼女はまたお尻をくねらせはじめた。けれど今回は、痛みのせいではなく、喜びからの身悶えだった。

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