スパンキング用語の森 ONLINE

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「スパンコ」から「トップ/ボトム」まで。スパンキングやスパンキングに直接関係するBDSMの言葉について、だらだらした紹介や、分かりにくい用語間の関係説明、管理人のただの偏見を書いていくコーナーです。

吉川

お待たせしました、令和のスパンコロジスト吉川です。本ページは私が進めていくよ

目次

スパンキング(spanking)とは

おしりたたき

辞書的な意味であれば、罰として子供のを尻を平手で叩くことであるが、体罰が過去のものとなった今日においては、より広義の尻叩きを指すことが多い。特に、スパンコではない一般性癖の人間が日本語で「スパンキング」と言ったら、高確率でセクシャルなプレイを指す。(つまり当サイトでは、それに限らない)

英単語の spanking 自体は、「尻を叩く」の意味を持つ他動詞 spank の動名詞であり、「尻叩きの打撃」そのものではなく、「尻を叩くお仕置き」のセッションを示している。よって会話などで使われる際は基本的に「a spanking」という単数名詞の形をとる。叩く回数が1回だろうと1000回だろうと、a spanking である。

単純に「しりたたき」とだけ書いている英和辞典もあるが、英英辞典や、いくつかの和英辞典では上記ニュアンスも取り込んだ表現となっている。

吉川

場合によっては、「尻をぴしゃりぴしゃりと叩く」なんて、擬音語であるニュアンスを取り込んでいる英和もあります


スパンキングのジャンルも大まかにいくつか分けることができる。一番大きなカテゴリー例としては

  • ディシプリナリー(懲罰的)スパンキング
  • エロティック(性的)スパンキング
  • ファン(娯楽的)スパンキング

など。

ファンスパは、ゲームのペナルティとしてのケツバットや、海外でよくある、年齢の数だけお尻を叩くバースデースパンキング、とりあえず意味もなくすれ違いざまにお尻を叩くイタズラなどを指す。

そして、それ以外が家庭や学校を始め、軍や法刑罰まで含む「体罰」である、ディシスパである。

スパンク (spank)とは

おしりを叩くこと

spank は spanking の原形の他動詞である。名詞用法も持っており、a spank は、辞書的には今度こそ尻叩き一発のことを指すが、理由があって意図的に使わない限り、あまり見ない気がする。

日本語カタカナで「ゲットする」とは言うことがあるが「スパンクする」と言われることはまずない。日本語でスパンクと言ったら、はんぺんとイエティのあいの子みたいな生命体が出てくる。

ただし、某柴田先生がマンガ内のセリフで、

「お皿一枚につき スパンク三回」

『TRANCE』柴田昌弘

という超マニアックな表現を使っている。流石です先生。

吉川

ちなみに、単語 spank の文献初出を語源辞典で調べると1785年のフランシス・グロースのスラング辞書とされてました。江戸時代中期くらいですね

「spank」は擬音由来の単語であり、同じく擬音である「おしりペンペン」とは姉妹みたいなものである。そういう意味では、

「わるい子はおしりペン、だよ!」

という感じで、

「わるい子はおしりスパン、だよ!」

といった言い回しが昔から使われていて、それが動詞化したのかもしれない。


そして、spank という単語は英語学習の世界からは完全に無視されている。初心者向けからハイレベルまで、学習用単語帳に全く載ってっていないのだが、唯一、アルクの『究極の英単語 Vol.3』だけは spank を学習単語として取り扱っている。超信頼できる単語帳である。

スパンカー(spanker) / スパンキー(spankee)とは

尻を叩く人 / 尻を叩かれる人

カー / キー。

特定のセッションの関係性を指す場合に加え、プレイにおいての固定ロールを持つ人は、「自分はスパンカー(スパンキー)だ」とも使う。どちらもやる人は、BDSM用語であるスイッチ(スイッチャー)と言ったりする。

スパンカーもスパンキーも、他動詞 spank の派生語である。英語動詞は、末尾に -er がつくと動作主名詞、つまり「する人」となる。

  • ダンス → ダンサー
  • メイク → メーカー
  • ユーチューブ → ユーチューバー
  • スパンク → スパンカー

であり、それだけである。

一方で、スパンキーはちょっと珍しい。

英語のルール的には、末尾に -eeがつくと被動作者、つまり「される人」となり、spankee は 尻を叩かれる人、ではある。しかし、エイゴエイゴしている表現の -er に比べて、-ee はフランス語の受け身表現から来ており、あまり見られるものではない。(学校英語では employee “従業員” くらい?)

どちらかというと、英語話者が動詞に -ee を付けて「される人」を表す、スラングに近いともいえる。(パンチされる人をpuncheeと呼んだりする)実際、-ee がつくと基本的にはアクセントがそこに移動するという英語のルールがあるが、アメリカンスパンコでも spankee を スパンキー ではなく スンキーと発音してたりする(まるで綴りが spanky という単語のよう)ところからも、スパンキーという単語の緩さが伺える。もはや業界用語である。

吉川

でかい英和辞典だと spanker という単語は載ってるかもだけど、spankee は、少なくとも紙の辞書には絶対載ってないと思う

「スパンク」という動詞があって、「スパンカー」という人がいたら、そこには「スパンキー」が必要だ。スパンカーとの関係性の上でのみ、成立し得る。

spank_spanker_spankee

現実同様、スパンカーとスパンキーは、辞書の上でも平等の立場とは言い難いのである。

お尻ペンペン とは

お尻ペンペンは、お尻ペンペンだ

スパンキングに対応する、日本語の慣用表現である。様々な表記ゆれを持つ単語である。

  • おしりぺんぺん
  • おしりペンペン
  • お尻ぺんぺん
  • お尻ペンペン
  • オシリペンペン

などなど、それぞれがそれぞれ、違ったニュアンスを持っている。また、「おしりピンピン」など、言い回しのバリエーションも地域や人によって見られる。

なお、当サイトではデフォルト表記を「お尻ペンペン」として、状況によって使い分けている。

名詞(お尻ペンペンをする)ではなく、動詞(お尻ペンペンする、お尻をペンペンする)でも使え、古い文章だと動詞用法の方が多い気がする。気のせいかも。

また、日本特有のものとして、この「お尻ペンペン」は自分の尻を叩くことで挑発行為ともなる。英語圏では叩かないまでも、尻を露出して見せた相手を侮辱する mooning ムーニングと呼ばれる行為があり、ちょっと似ている。


そして、この「ぺんぺん」という擬音は、日本語では昔から言わずと知れた三味線の音である。

以前、麦茶を飲みながらぼーっと落語の放送を聞いていたところ、突然「きょうの娘さんのおぺんぺんの音は一段とよろしゅうございますなぁ」なんてセリフが出てきて、むせた。現在では「ぺんぺん」はお尻を叩く擬音でしかないと思うが、いまだにオノマトペ界では、「ぺんぺん」の意味のトップの座は三味線に奪われたままだ。お尻氏の今後の健闘を期待する。

ちなみに、「お尻ペンペン」自体はよく俗語表現として扱われ、国語辞典では見なくても俗語辞典や表現辞典などでは意外と出てくる。また、表現系の辞典は、一般の小説から表現を引用していることも多く、遭遇が難しい文学活字スパを掘り出す秘技の一つである。

辞典が好きな管理人が、色々当たってみて見つけた最高の表現は『日本俗語大辞典』(東京堂出版)で引用されていた下記のもの。

「ジジイの持っていた名簿でお尻ペンペンをいただきました」

『終わらない始まらない』

なにその文、超いい。プロの作家は、やはりプロである。

スパンコ(spanko)とは

スパンキングフェティシスト

スパンキングが好きな人。実際にプレイが好きな人はもちろん、映像を見たり作品を読んだり創作をしたり、ひっくるめてスパンキングが好きならスパンコになる。YouTubeの普及のおかげで、米国を筆頭にスパンコの生態も妙にオープンになってきている。

人類史上、初めてスパンコであることを告白したのは、社会の教科書にも出てくる社会学者ジャン・ジャック・ルソーとされ、性的倒錯の大家 マルキ・ド・サド よりも早い。その名も『告白』という回顧録の中で、自分が子供のころ預けられた牧師の妹、ランベルシエから受けたお仕置きが、自身の好みや欲望、情熱、そしてその後の自分自身を決定づけたと断言している。ここの管理人もルソー先輩と大体同じようなものである。

人間はなんだかよくわからないけどたまたまスパンコになってしまうようで、真正スパンコの場合は、どうあがいてもジョブチェン不可能だと思われる。もちろん「おしりぺんぺんされるのが好きなんです~」とビフォートークで言う女優さんのような、ファッションスパンコ(仮称)もいるだろうが、ファッションだろうとなんだろうと、業界ではニッチカテゴリーである以上、言ってくれるだけでもちょっと嬉しい。


spanko は spankophile(スパンコファイル、スパンキングフェティシスト)の略とされる。英語的には -o という接尾辞が最後につくと「人」を表す言葉になる。(phycho サイコ は、phychopathな人という意味)

なお、フェティシストではなくフェティズム自体を指す場合は spankophilia(スパンコフィリア)となる。なんか精神病っぽいが、もちろんそんな病気はない、多分。

吉川

spankophilia の対義語は、多分 spankophobia(スパンコフォビア、スパンキング恐怖症)となりますが、なんかそっちは実際にいそうで、ちょっとリアルなので止めておきましょう

BDSM とは

合意された上下関係をベースにした、セクシャルなプレイを表す巨大ジャンルの総称

一般的にBDSMは、4つのアルファベットで6つの単語を意味する。

Bondage & Discipline (束縛、調教)
Dominance & Submission (優位、従属)
Sadism & Masochism (加虐嗜好、被虐嗜好)

日本語ではよく “SMプレイ” と言って適当にまとめられてしまうが、関係性という人間社会の根幹要素を「おもちゃ」 として使用した、無限の深さがある大人のお遊びである。

BDSMのプレイヤーをBDSMer(ビーディーエスエマー)と呼ぶ。海外では「あの有名なBDSMerのMr.なんとか」のように肩書にさえなり得る。

一般的にはスパンキングフェティシズムも、BDSMの一翼を担っていると考えられる。が、spanking.org にて、BDSMとスパフェチの文化の違いについてまとめている文があるので、ごっそり引用する。

A lot of people see erotic spanking, spankophilia and spanking fetishism as subsets within the BDSM cosmos. Others feel that although there is no doubt much overlap between the “spanko” and the BDSM subculture, there are also some typical differences.

An interest in BDSM often comes combined with other paraphilia such as leather or latex fetishism. On BDSM parties, wearing black fetish clothing is almost obligatory. In contrast, spanko parties tend to have a less strict dresscode and often encourage non-black outfits such as dressing up like a schoolgirl. While typical BDSM adherents favor master/slave and similar roleplaying, many spankos find ageplay more appropriate for spanking scenes, such as parent/child or teacher/student.

When it comes to erotica, spanking art and stories differ in many ways from ordinary BDSM art and stories. The spanko subculture has their own magazines, websites, web galleries, blogs and so on.

BDSM, spanking.org

多くの人はエロティックスパンキング、スパンコフィリア、及びスパンキングフェティシズムなどは(広大な)BDSM宇宙の一部だと考えている。しかし、「スパンコ」とBDSM文化は、被っている部分は多いものの、特徴的な違いも見受けられると考えている人もいる。

BDSMの興味の対象は、レザーやラテックスのような他の性的嗜好と結び付けられることが多い。BDSM陣営の人々は、黒いフェチ服を着るのはほぼ必須である。対照的に、スパンコ陣営にはそこまで厳しいドレスコードはなく、むしろ女子高生の制服のように黒くない服が推奨されることも多い。典型的なBDSM信者は 主人 / 奴隷 といったようなロールプレイを好むが、多くのスパンコは、親 / 子 や 教師 / 生徒 のようなエイジプレイの方がスパンキングシーンには適切だと考える。

エロティカの分野に関しては、スパンキングアート、小説は、通常のBDSMアート、小説とは多くの点で異なる。スパンコ文化は独自の雑誌やウェブサイト、アートサイト、ブログ等を持っている。

あくまで一つの考えではあり(緊縛など日本のSMは考慮していない)、恐らくオフラインのイベント等を念頭に置いて書かれている気もするが、言わんとしていることはわかる。

要するに、「スパンキングフェチ? もちろん知ってるぜ、レザースーツを着た女王様にバラ鞭でビシビシお尻をシバかれるやつでしょ?」とか、BDSMと諸々一緒くたにしている人がいたら、「うーんそういう人もいるけど、必ずしもそうじゃないかな」くらいは返しておきたいということで。

ドミナント(dominant)/ サブミッシブ(submissive)とは

BDSMにおいて、支配する側とされる側

D/sと、Sを小文字で書くことが多い。

基本的にはロールプレイにおける各ロールを指し、ドミナントが優位に立つ側、サブミッシブが劣勢になる側である。ただの役割であり、ドミナントの人がサディストでサブミッシブの人がマゾヒストとは限らない。

気を付けるべきは、日本語ではS/Mつまりサド、マゾという言葉だけが一般に広まっているが、BDSMのSはサディズムに加えて真逆のサブミッシブも含む。BDSMのプレイで「S」のポジションはサブミッシブであり、スパンキングプレイでは多くの場合、それはスパンキーとなる。

吉川

Sadism / Masochism はその人の嗜好(キャラクター)を表すけど、Dominant / Submissive はその人のその場の役割(ロール)を示すわけです。そしてSが正反対の意味なのが紛らわしい

ちなみに、男性がドミンナントを取ることをメイルドム(maledom)、女性がドミナントを取ることをフェムドム(femdom)と呼ぶ。

また、女性のドミナントをドミナトリクス(dominatrix)と呼ぶ。日本語では「女王様」であり、基本的にSMクラブで出てくるようなプロのドミナントを指す。ドミナトリス(La dominatrice)と言われたら、同じ意味でフランス語である。

BDSMの項目でもちょっと触れたが、スパンコである管理人としては、非日常的な「ザ・SMプレイ」ではなく、日常の中に溶け込んだスパンキングが好きであり、ぴっちぴちの革服でバラ鞭・一本鞭もって「おだまりっ」とか言われてもちょっと困るので、当サイトのドミナトリクスは着物を着ている。

トップ(top)/ ボトム(bottom)とは

BDSMにおいて物理的刺激を与える側 / 与えられる側

さて、ややこしいところである。

BDSMにはトップとボトムという重要な概念も存在する。肉体的な罰を与えるロールをトップ、与えられる側をボトムと呼ぶ。ドミナント / サブミッシブと似てはいるが、ドミナントとは相手や場を支配し、コントロールする側である。

つまり、ドミナントは精神的な支配者であって、トップとは表面的、物理的な罰の執行者である。よって、トップ=ドミナントであることが多いが、トップ=サブミッシブであることもある。

吉川

わけがわからんよぅ

スパンキングプレイにおいては、スパンカー=トップで、スパンキー=ボトムとなる。つまり、お尻を叩いている側がトップで、お尻を叩かれている側がボトムである。これは変わらない。

ただし、スパンカーは必ずしもドミナントではない。スパンキーがお尻を叩かれたくて、一方でスパンカーがお尻を叩きたくなく、そのうえでスパンキーがスパンカーにお尻を叩くようにコントロールしたのであれば、場の支配者、すなわちドミナントはスパンキー=ボトムとなる。

この、ねじれ国会みたいな状況は、通称「トッピング・フロム・ザ・ボトム(Topping from the Bottom)」と言われ、フィフティシェイズシリーズの最後でもお仕置きを受けている側であるアナスタシアが実行している。

吉川

Top / Bottom はその人の表面的な役割を示して、Dominant / Submissive はその人の精神的な役割を示すわけ

バニラ (vanilla) とは

BDSMにおいて、フェチを持たない一般人

もともと、バニラとは何の変哲もないアイスの味から「スタンダード」を示す言葉として使われる。ゲームMODの世界なんかでも、MOD非適応の状態をバニラと言ったりする。

BDSMにおいても、とくにプレイなどを行わない普通のセックスをバニラセックスといい、また、そういう嗜好の人を指す際にも使われる。単語の本質的に「面白味のない」という意味も含み、また、自称で使うこともないので(そもそも一般人はバニラなんていう用語を知らない)、SM好きな自分たちを逆特別視したニュアンスを含むことも多々ある。

吉川

要するに、「マグル」みたいな?

あまり使うのをお勧めする言葉ではないが、知らないと意味が分からないと思うので。

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