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【保存版】江戸のスパンキング情景、落語『尻餅』の元ネタは?【多分WEB公開は世界初】

大江戸スパンキング噺、落語「尻餅」を語る

今回、図書館に閉架請求までして資料入手してきました。日本史では罰として以外に歴史的なスパンキング文化の資料が乏しい(罰としても少ないけど)。だがしかし、江戸時代の日本人の尻も、張りのある、軽快な音を響かせていたはず。だって、落語の『尻餅』があるじゃない! 江戸時代のお色気と笑いが混じった小噺を紐解いてきましょう。

和泉

歴史担当和泉です

あれですよね、アジア人は、事実、西欧人の臀部と比較すると、こう肉付き的な意味で「ここは叩く場所です」感が少ないので……

というわけで、落語の『尻餅』をご存じでしょうか。ご存じの方もそうじゃない方も、江戸時代のお尻ペンペンを楽しむタイムトラベルに出発です。

和泉

平和を享受していた庶民は近世文化を独自に発展させます。当時の娯楽を知れば、当時の価値観もわかるかもしれません

目次

『尻餅』とは

れっきとした古典落語(現代創作落語ではない)です。落語は出版物ではないので、誰がいつ作って演じたという記録がないものは、いつ頃誕生したかがなかなかわからないです。江戸時代にすでにあったかもしれませんし、明治時代かもしれません。『尻餅』自体は、明治初期には演目の記録に残っていそうです。

噺自体をご存じない方はまずは実際の落語を聞いてもらった方がよいかもしれません。

和泉

歌丸師匠のやつとかおススメ

簡単にあらすじをお話しします。

あらすじ

長屋の貧乏な夫婦。大晦日だというのに正月用の餅をつく金もない。長屋で一人だけ餅つきの音が聞こえないというのは体裁が悪いので、亭主は一計を講じる。

まるで餅屋が来たかのように、周囲の住人に聞こえるように演技をした後、女房に対して尻を出すように言う。女房は嫌がるが、結局尻を出し、亭主はその尻を、まるで餅つきをしているかのような音を立てて叩く

耐えられなくなった女房は、「残りは(餅をつかずに)おこわにしてくれ」というオチ。

餅つき
和泉

江戸では、年末になると餅屋が臼や杵などを持って町内を回ったわけです。年末の風物詩ですね

落語では亭主が初めて明るいところで妻の尻を見て驚くという演出が入ることが多いです

こんばんはです、大人の話担当源です

江戸時代の夜はガチ暗で、夜の行為中もあまり見えないというのと、バックのポジションは動物的で嫌忌されていたという背景があります。春画でも基本的にはバックのものはないかと思うのです


とはいえ、「初めて尻を見た」はちょっと極端なので、そこはある程度フィクションかなとも思ってしまいますが……

和泉

まあ、分かりやすい落とし噺で、表立ったエロ要素というよりギャグに近いものだと思いますが、それでも意図的なお色気要素を含んだ噺ですね

あと、ベタですが、後ろからペンペン中に奥さんが屁を放ってしまうというギャグとかも多いですね。かえでさんみたいです

和泉

ちょっ、私お仕置き中におならなんてしない! いい大人なんだから!

漏らすことはあるけど

この『尻餅』がオリジナリティがあふれている、というわけではないです。「尻餅を搗く」という慣用表現が明に示しているように、お尻と餅は、想起語の如く、ちぎってもちぎれないもっちりした繋がりがあります。

しかしながら、実はこの『尻餅』には特定の原作があります。

それが、滑稽本作家・十返舎一九の『もちつき』です。十返舎一九といえば、やじさんきたさんでお馴染み『東海道中膝栗毛』が代表作の、江戸の大人気作家。

和泉

ベストセラーコメディ作家ですね

それではちょっと、原作を見てみましょうか。

十返舎 一九の『もちつき』を読もう!

掌編レベルの短さです。すぐ読めます。

読みやすいように一部、漢字表記、句読点や括弧を変更しています。この江戸時代のスパノベル、頑張って読んでみましょう。

人誌『ぼくらの 全国高校スパンキングマシンコンテスト』
人間、読めると思い込めば読める。だってスパだもん
(同人誌『ぼくらの 全国高校スパンキングマシンコンテスト』より)
落語『餅つき』原作
『臍くり金』(1802) 十返舎一九

もちつき 十返舎一九

世間ではもう餅をつく時分。ある医者さま、療治はなし。

餅をつくこともできず。「コレ三すけどうしたものだろう。こっちばかり餅をつかぬも、外聞がわるし。どうぞよい、しあんはあるまいか」

三すけ「よいことがござります。わたくし尻をまくっておりませうから。あなた手のひらでおたたきなさあれませ。そういたすと、てうど、餅をつく音がいたしますから、あたり近所の手まへは、すみます」といふ

旦那「なるほどそれはよかろう」と

あくる朝くらい内から、三すけが尻を、ひつしやりひつしやりとたたく。三すけはじめの内は、こらへゐたりしが、尻がだんだんむらさきいろになって、そのいたさこらへきれず

三すけ「モシだんなさま」
旦那「どうした」
三すけ「あとのひと臼は、こわめしにでもして下さりませ」

……

……

まてまてまてまて

三すけ?

それ男じゃね?

和泉

三助というのは、下男のことを指しますね。お医者様なら下男がいてもおかしくないですね

ちょっと待て一九、叩くのは人妻の尻じゃないんかい。まさかの展開だ。

三すけ
「そうでぇ旦那様、餅つきの音の代わりに、あっしの尻をぺしぺし叩いて、その音を隣近所の奴らに聞かせてやりましょうぜ!」

和泉

ちょっ、テロじゃないですか

とりあえず、スパンキングシーンを詳しく見る

まあ、200年前の出版物に対して、「こうがよかった」とか言っても仕方がないので、今あるものから得られるものを、頑張って見つけてみましょう。

なにせ、こちとら、わざわざ図書館で十返舎一九全集を全巻閉架請求して、この作品を探したんですから、手ぶらじゃ帰れない。

和泉

お前暇やな

私は別に手ブラでも、ノーブ

和泉

じゃあ作品のスパシーンを細かく見ていきましょう。私の方で、もうちょい文章を読みやすく直しますね!

明くる朝、暗い内から、三すけが尻をぴっしゃりぴっしゃりと叩く。三すけ、始めの内は堪え居たりしが、尻がだんだん、紫色になって、その痛さ堪えきれず

念のためですが、「三すけが尻を」というのは「三すけ”の”尻」をという意味ですね。セルフスパじゃなくてカーは旦那です。

旦那様 / 三すけ

和泉

まさか、このサイトでM/Mを取り上げる日が来るとは……

BL勢のみなさん、ぜひマンガを描いて送ってください。載せます

しかも、紫色になるんかい。

せめて赤くなるで止めてくれよ。下男の尻を叩いて内出血させるお医者さん。絶対手のひらもろくなことになっていないでしょう。しかもまだ太陽が出ていない早朝から、ぺんぺんと周囲の住民にあえて聞こえるようにおっさん同士のスパンキングプレイです。


はい、ストップ!

今回の雑談

七峰

ちょ、ちょっといいかな和泉さん。このページ、何なの。明らかに冒頭と最後のテンションというか、見える風景が違うんだけど

吉川

かえで、ちょっと私もフォローできない。だって、企画段階では「江戸時代の尻を叩く行為の文章表現を研究するんですよ!」みたいなことを熱弁してなかったっけ?

和泉

わ、私だってこんなつもりじゃ

神山

なんか私、体調悪くなってきたから、今日は帰るね

うわああん、こんなの私たちに対する嫌がらせです

和泉

へいへい、わかりましたよ、わかりました。責任を取るんで、どーぞ私のお尻で、ぺったんぺったん餅つきしてください

けっ

えへへ。みたらし、かけまくりましょう

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