『“Frank” and I 』1部第7章: 初夜 【英国スパンキング小説】

― ナイチンゲールのさえずり。― 悪事は露見す。―「フランク」のカミングアウト。― 恋人。― ファーストキスと愛撫。― 刹那の求愛。― 選ばれし花嫁。― 処女喪失。― 初夜。― 甘い起床。― 情欲のレッスン。― 2度目のまぐわい。― 遂に快楽が。―いかに汚れたリネンを洗うか。
FrankAndI_寝室

― ナイチンゲールのさえずり。
― 悪事は露見す。
―「フランク」のカミングアウト。
― 恋人。
― ファーストキスと愛撫。
― 刹那の求愛。
― 選ばれし花嫁。
― 処女喪失。
― 初夜。
― 甘い起床。
― 情欲のレッスン。
― 2度目のまぐわい。
― 遂に快楽が。
―いかに汚れたリネンを洗うか。

 前回話したあれこれの後、事はついに大きく動き出した。

 あれから数週間が過ぎ、再び春がやってきた。オークハーストが最も美しくなる季節だ。オークハーストの名前の由来になっている大きなオークの木々は一斉に葉を付け、花壇にはクロッカスやすみれ、ラッパスイセン、その他様々な花が咲き乱れた。苔むした土手には、ちらほらサクラソウが咲いていた。

 “フランク”は18歳になり、全体的に落ち着いた雰囲気をまとってきた。そして、僕に対する態度はより女らしく、愛情深くなっていった。だから、彼女が自ら僕のことを愛している女なのだと打ち明けてくれる日が近づいている気がしてならなかった。

 僕は相変わらず鞭が好きであった。彼女の可愛いお尻をまた見たりペンペンしたいとも思っていたが、最近では、彼女はズボンを下ろす理由を与えてくれなくなっていた。彼女は良く躾けられていたし、男性の格好をしつつも、素敵な女性として振舞っていた。

 僕はたまに、数日間ロンドンで過ごし、モードを訪ねたりもした。まだ僕に囲われていたものの、彼女はそろそろ誰かとの結婚を考えているとも言っていた。

 屋敷にいる時は、なんだかルーシーが「欲しく」なるときもあった。初めて彼女とやった日からずっと、彼女は僕に愛情を示してくれていた。使用人と関係を持っているのが周囲にバレるのはまずいので、そんな時は少し気まずい思いもした。とはいえ彼女を冷たくあしらう気はなく、彼女と寝る時は常に、しっかり楽しませてもらっていた。

 加えて、彼女はお尻ペンペンもさせてくれた。彼女のお尻は広く肉付きも良く、えくぼもあった。その上張りがあり、まさに叩くのにうってつけだったのだ。ペンペンのされ方も、今まで膝に乗せたどの女性よりも上手かったので、僕は十分楽しませてもらった。彼女の尻を、赤カブのような色で、燃えているかの如く熱くなるまで叩いたものだから、こちらの手が痛くなってしまうことも度々だった。

 僕は時々、近所の地主やその家族を招いてパーティーを開いた。その時はいつも、“フランク”が正装をして、いかにも“紳士”っぽく落ち着き払った様子で、若い女性や、小太りの奥方と夕食に臨んでいるのを見て、内心面白がった。

 “彼”は常に女性に対して丁寧で気を使っていたから、女性陣とは上手くやっていた。だが、“フランク”が成長してくるにつれ、女性に対してそわそわするようになった。 “彼”は葉巻を吸わないし、猟にも繰り出したりしない。スポーツの類もやらない。だから変わった男だと思われていたのだと思う。

 正直言って、そんな状況なのに、うちの使用人が誰一人として“フランク”の性別に疑いを持たなかったのは驚きとしか言いようがない。しかし、何はともあれ、オークハーストに滞在を始めて以来、彼女は僕以外の誰からも自分の秘密を守り通していたのであった。


 時は過ぎ、7月の上旬。僕は自分の財産に関する野暮用で、長期間ロンドンに滞在しなければならなくなった。僕はそれまで、2ヶ月以上家を空けたことがなかった。
 “フランク”は、僕が街にしばらくの間行かなくてはならなくなったことを聞いた時、意気消沈した様だった。僕が出発する日、彼女はしばらく僕の周りうろうろしていたが、頑張って泣かないようにしているのがわかった。

 今までの出張よりも一段と悲しんでいたので、僕は彼女をからかうことで気分を上げてやろうとしたが、笑顔は戻らなかった。彼女は悲嘆に暮れて言った。

「そんなにあなたがいなかったら、もうどうしていいかわからないです」

 僕は笑った。

「どうして? 僕はしょっちゅう留守にしているじゃないか。いつもみたいに元気に見送ってくれよ」

 それから僕は、彼女の手を握って家を後にした。彼女は憂鬱な表情でテラスに立ったまま僕を見送っていた。僕のことが好きなのだ。間違いなく。

 ロンドン滞在は思っていたより長くなってしまった。“フランク”はほぼ毎日のように手紙を送ってきた。その書きっぷりから、彼女が僕を恋しんで、帰りを心待ちにしているかが手に取るようにわかった。僕も早く戻って彼女に会いたかった。いつも彼女のことを考え、今回はモードの所には行かず、事務所の近くの家に住み込んだ。


 ついにロンドンから帰還する日がやってきた。ウィンチェスターに向かう列車の中で、僕はとても上機嫌だった。列車が駅に着くと、うちの馬車が僕を待っており、すぐにオークハーストに戻ることができた。

 “フランク”は僕を出迎えるためテラスで待ってくれていた。彼女はまぶしい笑顔とキラキラした瞳で、暖かく僕を迎え入れてくれた。ふと使用人たちに見られていることに気づくと、感情をすぐに抑えたが、感情的になっているのが見て取れた。

 少し遅い時間だったため、僕は一旦自分の部屋に戻り服を着替えた。それから食堂に降りて食事をとった。夕食の間“フランク”はそこまで話をしなかった。彼女は明らかに嬉しそうで、目も輝いていた。僕を質問攻めにして困らせたりもせず、とても満足した様子で、ただ座って、僕を眺めていた。

 夕食後、葉巻を吸い終えると、僕たちは応接室に向かった。優雅な夕べだった。夕陽はしばらく前に沈んでいて、暗くなり始めていた。開け放たれた大きな窓からは、優しいそよ風が庭に咲き乱れているたくさんのバラの花の香りを運び込んでいた。それほど遠くない木の上では、丁度ナイチンゲールが時折柔らかな音色で、歌い始めたところだった。それ以外は静寂があるのみだった。愛しあうには、最高の夜だ。

 僕は低めの椅子に座り、“フランク”は僕の隣の椅子に座った。二人とも静かだった。徐々に暗くなっていき、部屋の中にも闇が訪れ始めた。彼女は手を僕の腕に置き、僕に寄り添いながら言った。

「帰ってきていただけて、とても嬉しいです! とてもとても、恋しかったんですからね」

 それは既にいつもとは異なる、恋する少女の声だった。何年にも渡って隠し続けていた秘密を打ち明けようとしているのが感じ取れた。僕は彼女の腰に、恋人のよう手を回した。そして出会って以来、初めて、彼女の耳に囁きかけた。

「どうして恋しかったんだい?」

 僕が腰を抱き寄せると、彼女が少し震えたのを感じた。彼女は答えなかった。だが、頭を僕の胸に沈めながら、長く震えた息を吐いた。

「どうしてため息をつくんだい? 一体どうしたっていうんだ、フランク?」

 僕は彼女の名をわざと強調しながら言った。

 彼女はまだ黙っていた。ナイチンゲールは歌を歌い続け、流れるようなメロディーが場を満たしている。僕は彼女を、もっと体の近くに抱き寄せた。そして、顔を近づけ甘い声で言った。

「さあ、教えてくれ、フランク」

 その瞬間彼女は腕を僕の首に回し、感情で息を詰まらせながら囁いた。

「フランクって呼ばないでください! 私の名前はフランシス、男じゃなくて女なんです、あなたのことを愛してます! 愛しているんです!」

 僕の心臓は喜びと嬉しさで跳ね上がった。ついに告白の時が来たのだ。ここまで耐えてきた甲斐があった。僕は彼女を椅子から抱きかかえ、膝の上に降ろした。そして彼女を両腕で抱きかかえると、激しくキスをした。彼女のまぶたに、彼女のおでこに、彼女の頬に、そして彼女の温かい唇に。

 暗くて彼女の顔はよく見えなかった。だが僕の唇が彼女の柔らかい頬に押し当てられた時、頬が温かくなっているのを感じた。 彼女は胸を速く上下させながら、僕の腕の中で横になっていた。

 一息ついて、僕は言った。

「知っていたよ、フランシス」

 彼女はひどく驚き、小さな叫び声を上げた。

「いつから気付いていたんですか? どうして?」

「ずっと前から知っていたよ。激しく鞭で打った時、たまたま、大切なところが見えちゃってね」

「そんなぁ! うそでしょ!」

 彼女はショックで叫んだ。僕は笑って唇で彼女の口を塞いだ。

「別にいつ、どうやって分かったのだとしても、どうだっていいだろう。君は僕に愛していると言ってくれた。僕も愛しているよ」

「ほ、本当ですか? とっても、とっても嬉しいです。あなたが怒るんじゃないかと思うと怖くて。ずっとずっと私は女だって伝えたかったんです。ずっとずっと。でも、勇気が出なくて」

 彼女は僕に寄り添いながら、低い声で言った。それから、少し間があった後、彼女は恐る恐る聞いた。

「でもどうして、気付いていたのに言ってくれなかったんですか」

「面倒事になるかもしれなかったし、こちらのお膳立ても無駄になってしまうかもしれないだろ。それになにより、君の方から自分の口で伝えて欲しかった。いつか言ってくれると思っていたよ。ついにその日が来て、僕は嬉しい。愛してるよ、僕のかわいいフランシス」

 そう言って僕はキスをした。

「そんなに長い間、そんなに辛抱強く、優しく待っていてくれていたなんて。私も愛してもらえて、とても幸せです」

 震える声で彼女は言った。それから彼女は膝から降り、椅子に座って、優しく自分の手を僕の手に重ね合わせた。

「じゃあ教えてくれ、いつから僕のことが好きなんだい?」
「私をこのお屋敷に招き入れてくれた日からです。あの時、私は家もなく友人もいなかった。あの時以来、私のあなたへの愛は大きく、大きくなっていったんです」
「鞭で打ったりして、嫌だったろう」
「そんなことないです。もちろん鞭は痛いから嫌ですけど。鞭は恐ろしいです。でもどうしてかわからないですけど、お尻ペンペンの後だったら、もっとあなたを愛している気がして」

 彼女は一瞬間を空けたあと、 少しはにかみながら付け加えた。

「正直に言います、あるとき私は、あなたにお尻を叩いてもらいたくて、わざと悪いことをしました。あなたの膝の上に横になりたくて。そして、剥き出しのお尻であなたの手のひらを感じたくて。もちろん、その後のきつい痛みは覚悟しなきゃですが。だっていつも、容赦ないんですもん」

 僕はこの謎の告白に笑ってしまった。でも一方でそれを聞いて嬉しい気持ちもあった。全くこの娘は、いやらしい性格をしている。

「君は僕の膝の上に横になって、生の尻をビシビシ叩かれるのが好きなんだね。いいだろう、その喜びを今ここで与えてあげよう」

 彼女は返事をしなかったが、僕の手を握りしめたので、同意の合図だと見なした。僕はすぐさま彼女を抱え上げ、体勢を変えさせた。そして、この半年間下ろしていなかった、そのズボンをずり下ろした。

 暗くて尻は見えなかった。しかしそれにもかかわらず、僕の手は柔らかく引き締まった尻肉の膨らみの上で、官能的な喜びを感じた。僕は少しの間、叩いたり、鷲掴みにしたりしていた。

「どうだい、フランシス?」

 叩き終わった後、僕は尋ねた。

「はい、とても、とても良かったです。気持ちよかったです」

 僕の膝の上で、顔をまだ伏せたまま彼女は答えた。僕は笑った。そして、また一つ別の感覚を与えた。

 僕は手を彼女の腹の下に入れ、初めて、優しく、未だかつて他の誰にも許していない、その性器に触れた。身震いが彼女の体を走った。急ぎすぎて怖がらせたくはなかったので、そこから手を離した。僕は既に、この夜に彼女の処女を奪うつもりでいた。拒否するとは思えない。だが僕はここではなく自分のベッドの上で、リラックスしながらやりたかった。だから僕は彼女を立たせ、キスをして、ボタンを留めるように言った。

 その後、僕は明かりをつけてもらうため呼び鈴を鳴らした。部屋の中は、既に真っ暗だったのだ。すぐに使用人がやってきてランプに明かりを灯し、出て行った。

 僕はフランシスを見た。彼女は少し離れた場所の椅子に慎ましく座っていた。僕と目が合うと顔を赤らめ、すぐに僕のところに近づいてきた。彼女は僕の膝の上に乗ると、自分の頬を僕の頬と重ね合わせ、すっかり満足した様子でため息をついた。

「隠し事がないって、素敵ですね」
「ああ、とっても嬉しいよ。愛し合えるって素晴らしい。首のところにキスしてくれないか」

 彼女は笑って、僕だけのためのその唇を柔らかく押しあてた。優しく、そして何度も。彼女は男とキスをするのが初めてだし、彼女にキスをして、こんな風に触った男も僕が初めてだ。そのバージンリップに僕の唇を重ね合わせ、彼女のいい香りの吐息を吸い込むのは、なんとも素敵だった。

そしてこの子が僕の膝の上に座っているものだから、すでに立っている股間に、彼女の柔らかいお尻が押し当てられていて、それも至上の感覚を与えてくれた。彼女は僕のペニスを感じているのだろうか。

 彼女は僕を愛している、だから率直に伝えよう。彼女は読書が好きな、頭のいい子だ。男と女が愛し合っている時にどうするべきか、はっきりと知っているはずだ。

「フランシス、聞いてくれ。僕らは愛し合っている。だから今夜、その愛に決着をつけたい。言ってること、わかるかい?」

 彼女は薔薇のように赤くなり、顔を僕の胸に埋めた。それから少しためらった後、低い声で、しかしはっきりと言った。

「はい、分かります。あなたを愛してますし、あなたが望むことなら何でも」

 僕は彼女の頭を上げ、唇にキスして、愛情込めながら言った。

「僕も愛してるよ、可愛い子め」

 少女は僕の膝の上から離れ、椅子の上に座ってもじもじしながら僕を見た。今からすることに、少し怖がっているようだった。それはそうだ、この状況下でおどおどするのは当然だ。彼女の「求愛」は一瞬だったし、僕の「提案」も急だった。そして「婚姻」がこの夜結ばれようとしている。状況に心が追いつけなくてもおかしくはないだろう。

 これ以上彼女に言葉をかけても困るだけだと思い、僕はベルを鳴らして、使用人にシャンパンとケーキを取って来させた。

 すぐにケーキとシャンパンがテーブルの上に並び、僕はフランシスにこの「ウェディングケーキ」を切ってくれと頼んだ。彼女は僅かに笑いながらケーキを切り分け、僕たちは一切れずつ食べた。僕は彼女のグラスにシャンパンを注いで、それを飲むように言った。それから「花嫁」の健康を祈った短い冗談のスピーチをして、彼女を楽しませた。

 ほろ酔い気分で楽しくなった彼女の顔からは、すぐにおどおどした表情はなくなった。彼女は再び恋する少女に戻り、僕の脇に座った。口数は少なく、手を重ね合わせ、時々、柔らかな愛の輝きで溢れている青い瞳で僕を見つめた。そして、熟れた果物のような赤い唇の端に、ちょっとだけ微笑みを作った。

 目の前の「セルリアの花(恥ずかしがってる花嫁)」がもどかしく思っているかどうかはわからないが、少なくとも「燃えている花婿」こと僕にとっては、時間が耐えられないほどゆっくり流れていた。


 暖炉の上の金の置き時計がついに11時を打つと、僕は椅子から立ち上がり、彼女の手を僕の腕に絡ませ、言った。

「さあおいで。ベッドの時間だ」

 僕は彼女を連れて応接間から出て、2階に上がり、僕たちの寝室に繋がる長い廊下へ向かった。僕の寝室に向かう途中に、彼女の「クレマティスの花(処女の寝室)」の前通ったが、彼女が気を変えてしまうことはなかった。

 そして次の瞬間、僕たちはもう僕の寝室にいた。ここなら誰にも邪魔されない。使用人たちはみな、旧館の別棟で既に眠りについているはずだから。

 僕の部屋はゆとりがあり、寝室としてよい感じに家具が取りそろえられていた。テーブル、キャビネット、ソファ、安楽椅子、壁には素敵な絵、磨きあげられたオークの床には、部分的に古き良きヨーロッパのラグが敷かれていた。ベッドは真鍮の骨組みの大き目のもので、2人が寝るには十分の広さを持っていた。

 僕は背の高い台付きのランプの明かりを灯し、マントルピースに置かれている、2つのドレスデン磁器の燭台のろうそくにも全て火をつけた。僕の「花嫁」の魅力を楽しむために、この部屋を素敵にライトアップしたかったのだ。

 実のところ、この花嫁は未だに男の格好していた。なんだか笑いそうになってしまう。でもその男装もすぐに脱ぎ捨て女の体となり、裸体美を見せつけてくれるだろう。

 僕は部屋の真ん中で、はにかみながら立っている彼女にキスをして言った。

「さあフランシス、服を脱いでくれ。下半身だけならよく見てきたけど、全身はまだ見たことがなかったね」

 彼女は少し顔を赤らめながら笑った。

「はい、そうして欲しいのであれば」

 彼女は静かにコートとベストを脱ぎ、クタイを外した。それからちょっと座って、靴と靴下を脱いだ後、サスペンダーの留め金とズボンのボタンを外し、それを足元までずり下ろした。最後に、一瞬手を止めたが、シャツと下着を床に脱ぎ捨てた。彼女は、素っ裸で僕の前に立った。

 少し身を震わせていたものの、彼女の持ち前の慎ましさが、まるでメディチ家のヴィーナス像のような雰囲気を漂わせていた。片腕を下に伸ばして大事な箇所を隠しながら、もう片腕で胸を覆っていた。少しだけ顔を反らして、目は俯いていた。そして、彼女は眉毛から胸元、耳の端まで真っ赤になっていた。

 僕は称賛と強い性欲をもって、この処女のかわいい裸体を眺めた。
 彼女の肌はきめ細かく、まるでアラバスターのような白さで、さらに山うずらのようにふっくらしていて、細部に至るまで素晴らしいプロポーションだった。小さく整った頭は、優雅にその細い首に乗っていた。両腕も美しく、胸はりんごのように丸く力強く発達して、胸元からそそり出ていた。さらにその上には、小さく立ったバラのつぼみのような乳首があった。お腹は広くスッキリしていて、片手で何とか隠そうとしているその恥部は、柔らかい絹のようなブロンドの毛で覆われていた。

 十分彼女の前側の魅力を堪能した後、僕は彼女を振り返らせた。称賛はより高まった。僕にとっては女性の体は前よりも後ろの方が好みなのだ。
 彼女の後ろ姿はパーフェクトだった。輪郭はウィリアム・ホガースによって描かれたような、真の美と優雅さを表していた。優しい曲線を作った肩、滑らかで白い背中、滑らかな曲線を描いた腰から、丸くふっくらと飛び出した大きな尻。広がるまんまるとした太腿と、すらっとした美しい両脚。踵は小さく、ピンクの爪がついた、傷の無い綺麗な足をしていた。

 僕は彼女には手を触れず、その裸体をただ眺めた。彼女は美しい彫刻のように静かにじっと立っていた。もちろん、その体は大理石のように冷え切ったものではなく、新鮮で温かい血が通っていた。

 それから僕は彼女に腕を回し彼女を抱きかかえ、そのまま彼女をベッドの上に運び仰向けに寝かせた。僕も服を脱いだ。その後僕は、部屋のランプとろうそくを消して回ったが、ある程度の明るさが残るようには、消さずに残しておくことにした。

 フランシスは僕が寝かせた体勢のまま、静かに仰向けにベッドの端に横たわっていた。両手で赤らめた顔を覆い、時々全身がわずかに震えるのが分かった。

  事を始める前にもう一つしなければならないことがある。ベッドの上に血が飛ぶのを防ぐために、何か敷いておかなくては。僕は2枚の大きなバスタオルを重ねて彼女の下半身の下に敷いた。

 かくして生贄は祭壇の上で、その時を待つのみ。

 欲情で燃えながら、僕はベッドに上がり、彼女の柔らかくしなやかな体を両腕で掴んだ。そして手で、そのなめらかで素晴らしいサテンのような、白い肌を撫でまわした。僕は彼女の美しく丸く硬い胸の、弾力のある肉を揉んだり、優しく小さなピンクの乳首をつまんだりしながら弄んだ。乳首は僕の指に反応して固くなっていった。

 僕は彼女の柔らかいお腹をさすり、太ももの上で手を上下させて、ふくらはぎをこの手で感じた。

 それから体をうつ伏せにさせて、この素晴らしい尻をありとあらゆる方法で楽しんだ。撫でたり、つまんだり、軽く叩いてみたり。僕は手をそっと2つのほっぺたの間に入れ、広げた。真ん中に小さな紫のスポットが見えた。そして、両手でふくよかかつ引き締まった肉を掴んだ。指を押し続けると、そこに血が行き来しているのを感じた。彼女はぴくりとも動かなかったが、やはり時々体が震えているのを感じた。

 僕はフランシスをまた仰向けに戻し、顔を胸の谷間に埋め、そこら中にキスをした。片側の乳房を僕の口に含み、そっと噛んで、それと同時に、喜びとともに、甘くかすかに女性らしい香りを吸い込んだ。それは健康で若い、綺麗な女性の肉体から発せられるものだった。

 僕はまだ処女である小さな性器を眺め、そこに口づけをした。彼女はとっさに縮こまり、小さな叫び声を上げながら「そこ」から僕の手を払いのけた。

 準備は整った。

「フランシス。その時が来たんだ。僕が今からすることは、最初はちょっと痛いかもしれない、でもその後得られる感覚は、喜び以外の何物でもない。怖いかい?」

「いえ」彼女は小さく答えた。だからそれにもかかわらず、少し構えているようだった。彼女は横たわり、裸で大きく呼吸をしながら、僕を待っていた。

 僕は彼女の足をできるだけ広げ、丁度いい位置に着いた。指でピタッと閉じている彼女の小さな性器を開けて、僕の先っぽ挿入した。彼女は、硬い何かが体に入ってくるのを感じると同時に僕から少し体をのけぞらせ、声を上げた。

 僕は彼女の唇に口付けをした。そして僕の胸を彼女の裸の胸に重ね合わせる。それから両手を彼女の後ろに回し、両尻を支えた。そして、長くゆっくりとしたストロークを始めた。毎回少しずつ、彼女の引き締まった穴に深く挿し込んでいくた。僕は温もりで包み込まれていた。素敵な感覚だった。力のある腰の動きで、僕は徐々に先へ、先へと押し込んでいく。

 痛みが彼女の顔をしかめ、声を上げさせる。だが彼女は僕の動きに合わせて、尻を上下させるのを止めなかった。そして僕はついに道を塞ぐ膜に触れた。僕がそれを突き破ろうとする力で、彼女の痛みはさらに強くなり叫び声を漏らした。ただ彼女は身をよじり、腰を反らせながら、尻を持ち上げ腰を僕に押し付けながら僕を助けた。僕は力の限り押し込み、彼女は僕の下でうめき声を上げながらそれに応えた。
 この膜はなかなか通してくれなかった。僕は一旦一息つき、 もう一度彼女を支え直したあと、さらなる勢いを持って再開した。彼女はずっと震えていたが、何とか息を保っていた。

「い、痛い!」

 ついに突き破れ始める感触を得た。何度かの強い挿入の後、処女膜は破れた。彼女は痛みで鋭い叫びを上げ、僕の一物は彼女の奥底で激しく燃え上がった。
 そして、もう少し掘り下げたが、そこで事は終わった。至上の時が訪れた。優美なひきつけが僕を襲う。煮えたぎった精液が勢いよく注ぎ込まれた。その間彼女は喘ぎ、もがいて、腰を激しく動かしていた。熱い液体が注ぎ込まれるその瞬間には、声は喜びと痛みが混ぜ合わさったものになっていた。

 全てが終わった後、彼女は僕の腕の中で震えながら横たわっていた。息は激しく胸は大きく動き尻の肉は小刻みに痙攣をしていた。頬を真っ赤に染め、潤った目にはゆったりとした眼差しが湛えられていた。

 フランシスは「小さく」僕は「大きい」。普通の女性が感じる以上に痛かっただろう。彼女の毛、太もも、そして尻の下に敷かれたタオルは、かなりの量の血で濡れており、それは彼女の処女を証明していた。彼女は我に返るとすぐに、血の跡に気付き「ああ!」と恐怖の声を上げ、泣き始めた。「血が出てます!」

 僕は彼女にキスをして、体を撫で、愛を込めて色々な呼び方で名前を呼びながら、これは何でもないんだ、女性はみな初めて男に抱かれたときは、多かれ少なかれこうなるんだ、と教えた。

 フランシスはすぐに落ち着きを取り戻し、微かな笑顔を僕に向けた。それから僕は水をためた洗面器とスポンジを持ってきて、血まみれの行為の跡を丁寧に取り去っていった。足を広げて寝そべっている彼女の体も、柔らかいタオルで拭いていった。頬を赤らめながら、僕のことを見ていた。僕はナイトガウンを渡し、着替えて布団に入るように言った。
 僕は自分の血に塗れた武器を洗った後、彼女の横に寝そべった。彼女はすぐに僕を抱きしめながら、深く息を吐きながら言った。

「終わって良かったです。めちゃくちゃ痛かったし、全然気持ちよくなかった……」

 僕は笑って言った。
「ちょっと痛かったかな。気にするな。そのうち気持ちよさを覚えてくるさ」

 彼女は少し疑っているようで、訝しげな顔をしながら枕に頭を横たえていた。疲れ果てているようだった。目を閉じたかと思ったら、あっという間に寝てしまった。僕は立ち上がるとろうそくを消し、彼女を起こさないように静かにベッドに戻った。それから僕も眠りに落ちていった。

 その夜は2、3回目が覚めてしまった。彼女の柔らかく若い肉体に触れる度に、喜びを感じて勃起してしまうのだ。だが、彼女はよく眠っていたため、それを邪魔するようなことはしなかった。

 明るい日の光で目覚め、暖炉の上の時計を見ると、朝の6時だった。
 僕はベッドの上に座り、まるで子供の様にかわいらしい様子で寝ているフランシスを見つめた。彼女の短い金髪の巻き毛は、広く白い額の上でくしゃくしゃになっていた。青筋が見える瞼は閉じられ、長いくるっとしたまつ毛は目の下にかかり、頬はバラの花びらのように繊細なピンク色をしていた。その唇は、うっすら開き真珠のような白い歯を覗かせていた。シャツの胸元が少し開いており、小さな雪山のような胸の上部が見えた。

 彼女に覆いかぶさりながら、僕は唇をそのバラのつぼみのような口に押し当てた。長く熱いキスだった。彼女はすぐに目覚めたが、ここがどこであったか思い出せず、困惑しているようだった。しばらく青い目を大きく見開いて僕のことを見つめ、それから頬をひどく赤らめた。それから明るい笑顔に変わったと思えば、両腕を僕の首に回し、キスをした。

「なんだか、あなたと一緒にベッドにいるなんて変ですね!」
「いいじゃないか」

 彼女の胸を片方の手で感じ、もう片方で尻を撫でた。

「よく眠れたか?」
「ぐっすり眠れましたよ。今起こしてもらうまで、一度も目を開けなかったです。昨夜はとっても疲れてたので」

 彼女は茶目っ気たっぷりに笑った。


「一応聞くけど、まだ痛いかい?」
 僕は笑いながら彼女の太ももをつねった。
「痛いところを見せてごらん」

 彼女は笑ってすぐに仰向けになった。僕は布団をどけて、彼女のナイトガウンを顔まで引き上げた。彼女の愛すべき裸体前面が露わになった。繊細な肌はキャンドルライトのなかよりも、朝日の中の方が白く美しかった。

 裸で横たわっている女の子の体をチェックして楽しんだ後、彼女の脚を延ばし、2本の人差し指で陰唇を可能な限り広げ、中を確かめた。少し腫れているようだ。小陰唇は明るいピンクで、これもまた軽く炎症を起こしている。ヴァギナは処女膜が破け、端が傷ついているのが分かった。処女膜痕と医者が言うものだ。

「やはり痛そうだな」と僕は言った。
「少し痛みます。刺されているような、押し広げられているような」
 僕は彼女の手を取り、僕の立ちそそり立っている股間に触れさせた。
「ほら、フランシス、こいつがやったんだ、触ってみろ」

 彼女はベッドの上で座り直し、僕のあそこを白い小さな手で握った。それから驚いたような目でそれを見つめて声を上げた。

「すごい! これなら痛いのも納得です!」

 そして、彼女は指でその大きさを測りだした。それから皮を引き戻して、紅色の先っぽを露出させると、その形を見て笑った。
「面白い見た目です、大きくて赤いドアノブみたい! 信じられません、こんな大きなものが私の―」

 彼女はそこで言葉を止めて面白げに僕を見た。そもそも自分のあそこを何というのかを知らないのか。

「名前を知らないのか?」
「わからないです。教えてください」と彼女は熱心に尋ねてきた。

 僕は笑って、男女の体の様々な部位の名前を教えた。そして、愛のボキャブラリーも。加えて男が女を抱く方法もいくつか説明した。彼女は頬を赤らめながらも、目をきらめかせた。そして僕が持ってきた図説を見ながら、夢中でそれを聞いていた。

 僕が話している間ずっと、フランシスは僕の一物を掴み続け、たまにぎゅっと握ったりしていたので、気持ちよさを感じていた。

「君が小さなトムにお尻ペンペンをした時に、彼の脚の間にあったものとは、全然違うかな」

 彼女は突如手を放し、顔を真っ赤になりながら、言葉を失くしたように僕を見つめた。完全にあっけに取られた表情をしていたので、吹き出してしまった。
 僕は彼女が男の子をお仕置きしている現場も、腹の下に手を入れている瞬間も実は見ていたことを伝えた。

「ちょ、ちょっと待って! 見てたんですか?」

 彼女は少しだけ慌てたが、すぐにちょっとした快楽のきらめきが目に現れた。

「なんだか虫みたいなものがあるなと思って、面白かったんです。でも、そんなことをしている私を見て、びっくりしましたか?」

「いや」僕は笑って答えた。

「君は男の子のズボンを下ろして膝の上に寝かせていたんだ。そこにあるものが気になるのは、別に不思議なことではないだろう。君は年上の女の子だった。年上の女の子は、年下の男の子のそれを触ってみたくなるものだろう」

 それから僕は付け加えた。
「男の子は、年下の女の子のをね」

 彼女は控えめな表情でしばらく僕を見ていたが、目は輝いていた。
「本当ですか?」

 僕は彼女をひっくり返し寝衣を引き上げ、彼女を弄んだ。胸を押さえてみたり、尻を交互につねったり、陰部を覆った柔らかい絹のような毛を引いてみたり、あそこをくすぐってみたりしていたら、彼女はすっかり興奮してしまったようだった。胸は激しく上下し、目は官能的になり、頬は紅潮し、脚は延ばしきっていた。明らかに欲しがっていた。
 僕の方も準備万端だったため、腕をつかみ、彼女の中に入り込んだ。今回は、道をふさぐものはなく、狭かったが、そこまで大変ではなかった。

 僕のあそこが彼女の痛んでいる小さい穴を押し広げると、彼女は低いうめき声を上げた。それから僕が精力的に、しかしすぐにいってしまわないように、できるだけゆっくり動き始めると、彼女は覚悟したように顔をしかめて歯を食いしばり、息を押さえた。

 僕と彼女の唇は重なり、僕と彼女の胸は重なった。僕の両手は彼女の尻を掴んだ。できるだけ奥へと一突きするごとに、今度はそれを粘着するひだの中から先っぽだけ残るくらいまで引き抜き、腰の力強い動きとともに、また中へ押し込んだ。フランシスは官能的な痛みの中で弾み、もがき続けた。

 素晴らしい!

 彼女は腰を懸命に動かし、僕の挿入に合わせて尻を上げ、少し呻きながらも僕を受け止め享受してくれていた。すぐにその瞬間に行かざるを得なかった。彼女は身をよじり叫び、僕たち2人ともが痙攣に襲われた。

 僕が解き放った瞬間、彼女は「だめっ」と大きく叫び、震える息を吐き、僕の下でのたうち回った。そして、これ以上ないくらいの激しさで、尻を動かした。腕は僕にしっかり抱き着いていた。エクスタシーの只中にいた彼女は、僕の肩に噛り付いていた。彼女の陰部は、まるで僕のまだ立ちあがっているその先端を手放さないかのように抱え込んで、一滴残らず受け切った。

 今までで最も素晴らしい回だった。未だかつてこんなに女性に楽しまされたことはなかった。僕は彼女が息を整え終わるまで腕で抱きしめ続け、キスをした。それからこの「愛のアート」の2度目のレッスンが、どんなものだったかを尋ねた。

「最初は、どちらかというと痛かったけれど、すぐに痛さは感じなくなって気持ちよさだけになりました。最後の瞬間はすばらしい感覚でした。何だかわからないですが、ぞくぞくっとして、それと、あなたから熱いものが来た時、燃える流れの中に置かれているようで体が勝手に動くのも抑えられなくて。すごかったですよ!」

 今日はそれ以上入れるのは止めておいたが、それでも僕たちはしばらくの間はいちゃついていた。フランシスも積極的に楽しんでいて、官能的な気質があることは見ているだけで明らかだった。

 最後に僕は彼女に、部屋に戻ったら、いつも通り寝ていた様に見えるよう、ベッドを乱しておいた方がよいと伝えた。彼女は笑いながらベッドから飛び降りると服をかき集め、血の付いたタオルをつまみ上げた。

「これも持っていきますね。お風呂に入るついでに洗って、バスルームに置いておきます」
 それから、こう付け加えた。
「これまでも沢山タオルを洗っておくべきだったな」

「おっとあぶない、タオルのことを思い出してくれてありがとう。完全に忘れて床に放置していたよ。さあ、キスをくれたら、行っていいぞ」

 彼女は寝ている僕の脇にやってくると覆いかぶさり、その柔らかい唇を僕の唇に長い間重ね、それから部屋を出て行った。

 僕は寝返りを打ち、使用人が浴室の用意を伝えに現れるまで、再び眠りについた。

【補足訳注】

「私の名前はフランシス、男じゃなくて女なんです」

→ フランシスは男女両方にある名前であり、男と女でスペルが違う。男性名が「Francis」で女性名が「Frances」。最初から「フランク」は本名をフランシスとは名乗っていたが、ここまではFrancisであり、ここの告白で、名前のスペルが Francesに変わる。とはいえ、カタカナ表記はもちろん、イギリス人の発音もどちらも同じらしい。

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