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【スパンキングアート鑑賞ガイド】『三人の証言者の前で幼子イエスを折檻する聖母』マックス・エルンスト を楽しむ!
マックス・エルンストの絵画『三人の証言者の前で幼子イエスを折檻する聖母』を、スパンキング視点で、深掘り解説していきます。
この作品をご存じでしょうか。
マックス・エルンストというドイツの画家の作品です。
管理人が初めてこの絵を知った日は、PCのフォルダを漁ったら正確に日付まで確認できました。某年の某日、場所はとあるベルリン市内の博物館。
の、売店。
売店でこの絵の絵ハガキを見つけて、小躍りして、これだけ買って帰りました。レジのおばちゃんは、なんか微妙な顔をしていました。
絶対変な人だと思われてますって
ハガキは今でもちゃんと保管されています。
シュルレアリスムとフロイト変態教、スパンキングの関係
前置きはさておき、本作はシュルレアリスムというジャンルに分類されます。いわゆる「シュール」というやつで、要するに非現実的なことを絵とか文で表現しようぜ、という作風になります。
いや、それがスパンキングと何が関係があるんだよ。
ぶっちゃけないです。ないのですが、あるとしたら、シュルレアリスムは意識のその下にあるもの、「無意識」の表現を求めた芸術であるということです。実際に薬で意識をふっとばしてトランス状態で絵を描いて、「こ、これは芸術じゃ!」なんてやってました。
まあ、そりゃあシュールになりますよ。まあ、ちょっと見てみたいかも……
そして、「無意識」と言って出てくるのが、
「作品に棒があればそれは無意識に描いたペニスの象徴! 人は皆心の下はエロティックである!」
でおなじみ、人類皆変態教の教祖、フロイト博士です。
フロイト先生といえば、弟子のザビーナお嬢さんが、映画『危険なメソッド』(2011) の中では、精神治療の手法として、「お尻叩き」をされています。
おしりペンペンで病気が治るなんてホントにあるんですかね……?
人間の心の状態は複雑かつ無限なので、何が毒になって何が薬になるかの可能性も、無限大です。
このザビーナは、幼少期に受けたお仕置きが一種のトラウマと化して、病気を発症していたと、ユング(フロイトのライバル)によって突き止められます。そして、お尻叩き治療を通して、マゾ嗜好を開花させていくわけです。
フロイト変態教の教義は、現代の精神医学では過去の遺物とされていますが、BDSM系のフェティズムを持つ人はやはり幼少期にあった出来事が(直接であれ、間接であれ)きっかけなのでしょうか?
絵の作者であるエルンスト先生は厳しく敬虔なカトリックの家庭に生まれました。特に父親の躾が厳しかったとされています。また、母親も体罰を行ったともされています。この絵はに風刺を持たせているように見えますが、もし教会や宗教に対する風刺などは、幾らでもやりようがあります。
では、なぜマリア/イエスの尻叩きシーンにしたのか。
やはり「尻叩き」が、エルンストの無意識の奥底に入っていたからってこと?
「子供は尻を叩かれて躾けられるべきだ、例え神の子であっても!」という教育的考えかもしれませんし、「丸裸で尻叩きは屈辱的だ。だから、風刺的に描くにはもってこいのアイディアだ!」という極端な考えかもしれません。
意識の下にあるものは、作者のエルンスト先生本人にも、分かりませんね。だって意識の下なんだもの
そんな無意識を描くのがシュルレアリスムということを頭に置いて、エルンストさんの幼少期を思い浮かべながら、おしりペンペンアートを眺めて行きましょう!
ドイツ語での「懲罰」
いや、題名なげえよ。
『Die Jungfrau züchtigt das Jesuskind vor drei Zeugen: André Breton, Paul Éluard und dem Maler』
もはや、この題名だけで一記事書けそうですが、このサイトは別に美術解説ではないので、スパ的に重要なところだけお話ししますね。それは、頭から3番目にある動詞、
züchtigt (チュヒティクト)
原型は
züchtigen
(チュヒティゲン)
意味は、「肉体的な罰を与える」です。紀伊国屋で独和辞典を立ち引きしたら「懲罰を与える」でした。ただ、本ページの表題では「マリアがイエスに懲罰を与える」ってのも変なので「折檻」という日本語を採用しました。なんか偏見で申し訳ないですけど、ドイツ語で「懲罰」とか超かっこいいですね。
せっかくなので、名詞形のzüchtigungでググってみましょう。下リンクをクリックすると別ウィンドウで画像検索をかけます。
もちろん検索するタイミングによって出てくる画像は違うかと思いますが、管理人が検索した時はけっこうスパ率は高かったです。
さすがドイツ人
古今東西こどもであればペン!される
これも表題の通りですが、この絵は聖母マリアが幼いイエス・キリストのお尻を叩いて罰を与えているシーンです。これが公表されたのは、戦前の1926年。世間からめっちゃ怒られます。
21世紀の現在でも怒られそうなのに…… エルンスト先生、敬虔なカトリックの家出身なのに、よっぽどキリスト教に反感を持っていたのでしょうか。
めっちゃ叩いてますって。
叩いている顔もヤバいです。これはもう子供のためを思って叩いているわけじゃないです。もしスパンキングマシーンに顔を付けるとしたら、こんな顔かな? っていう顔です。どれだけ悪意が込められているんですか。
これとか。
天使の輪っか落っこちてるじゃないですか!私宗教のこと全然知らないですが、絶対なんかヤバいですって、過激派からボコボコにされますって
この輪は美術的にはニンブスといい(英語ではよくハローとも言われます。後光が指すという意味の「ハロー効果」とかいう使い方が、意識高い話に出てきたりします)、神聖さの象徴です。昔の宗教画は、フォトショでキラキラテカテカにする技術がなかったので、聖なる人は背後に輪っかを書いて「この人は一般人とは違う聖なる人ですよー」っていう印にしるしにしていました。それが変化して天使の頭の輪っかになったわけです。
じゃあ、この輪っかがないということは、どういうことか。
この子供は、神聖な子供ではなく、一般チャイルドです。だから、悪いこともするし、おしおきも必要なのです。
この作品では、おそらくこのお仕置きそのものの理由や方法は問題ではないですね。お仕置きされていること自体がセンセーショナルであるわけです
人類の原罪の贖い方
で、管理人は思ったんですよ。
イエス・キリストって、人類の原罪を十字架にかけられて贖ったわけで、それがキリスト教の基本教義ですね。原罪って、アダムとイヴがリンゴ食べたことで生じたわけで、イエスが生まれるずっと前の話ですよね。
だったら十字架ではなく、子供のころにおしりペンペンされて原罪を贖えなかったのでしょうか。そうしたら、なんか、ほら、世界中におしりペンペン像が作られていたじゃないですか。
うわぁ、過激派のみならず普通の人からもボコボコにされそうですね