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アダム・ヨハン・ブラウンのスパンキング絵画『女学校での懲罰』を、深掘り解説していきます。シンプルながらも、スパ絵画として欠かせない重要な要素をしっかりと押さえて表現してある神作。スパンキングイラストを描く際の参考になることも請け合いです。
アート担当のエマです
わたし、この絵大好き! キーの女の子のお尻もぷりっとしてかわいいし
さてさて、この作品、意外とにオークションに出現しています。
2009年には ①『Le doux châtiment』という名で、2010年には ②『Birching in girls boarding-school』という名で、2015年には ③『Correction in the Girls’ School , 1789』とい名で世に姿を現しています。
2010年の記録では10,000ユーロ(から?)と書かれています。え? 100万円ちょっとであれば、車より安いじゃないですか。ローンで買って家に飾りたい。
むー、絶対後悔するでしょ
冗談はさておき、上記の通り、どうも本作には作者がつけた題名がなく、出品される度に適当な名前で呼ばれている気がします。絵画は題名もその作品の一部なので、一応見ていきましょうか。
一つ目。 『Le doux châtiment』
いや、すみません。フランス語は全く分からずで、読みをカタカナで書くとどうなるかさえもわかりません。 châtiment は確実に英単語の chastisement (懲罰)ですね。 doux はGoogle先生は「甘い」だと言っています。
というわけで、ネットの海を正解を求めて泳ぎまくりました。実際、イングリシュスピーカーの中でもこのdoux の解釈は割れていたようですが、フランス語スピーカー、もしくはのスパンコと思しき人の発言を掘り出すことに成功しました。
ここでのdoux は マイルドというよりはスウィート、皮肉でいっているんだ、と。そうすると、やはり『甘いお仕置き』、ちょっと表現変えて『 優美なお仕置き 』なんて感じですかね。
まあ、いずれにせよ画家本人がつけた名前というわけではないと思っていますが、オークションに出品されるにあたり、作品がどういった解釈をされたかは意外と面白く、ちょっと一考の価値はあると思ったので、書きました。
2番目の題は日本語では『女子寄宿学校での鞭打ち』ですね。
まあ、寄宿舎学校と言われるとイギリスのそれが思い浮かばれますが、雰囲気はちょっとイギリスとは違いますね。例え寮で生活する学校で先生がシスターだったとしても
3つ目は 『Correction in the Girls’ School』、 『女学校での懲罰』となります。シンプルですね。
作者のアダム・ブラウンはオーストリア人なので、ドイツ語で見たところ基本的に『Mädchenschule』という名前になっています。これは『女学校』ですね。よりシンプルですね。
まあでも、今回は適当に 『女学校での懲罰』 で通していきましょうか。なんか丁度いい情報量だし。完全に自家訳で、正式の題名でも何でもないことをご承知おき下さいませ。
長々とすみませんね。でも、絵画作品って、題名如何で解釈が180度かわるようなものなので、やっぱりタイトルは大事
では作品そのものに行きましょうか。アダム・ブラウンは1748年生まれのオーストリア人。ウィーン美術アカデミーにて絵画を学びます。しかし、まずは作者ではなく作品の方を見ていきましょう。
さて、スパンカー・スパンキーの考察をしていきましょう。
スパンカーは修道女さんです。もろカトリックの修道女さんです。そんなに年を取っているようには見えないです。ここが学校だとすると、やはり先生なのでしょう。シスターが先生をしているのはカトリックの学校ですね。
プロテスタントの場合、十字架にキリストがおらず、ただのクロスになります
有名な絵でない限り専門家が解説をつけてくれないので、特にマニアックな西洋絵画を見る場合は、こういった点が状況解読の手掛かりになりますね
厳格なカトリックの女学校、良い雰囲気ですね。
修道女の手にあるのはバーチ、枝鞭ですね。白樺でしょう。短めですが、まあ特に言及することはなさそうです。表情はどうでしょう。
激怒しているというよりは、ほんのちょっと眉と目尻を下げて、呆れている感じがします。「まったく、もう!」という感じです。これは、お仕置きの原因を推測する鍵になりそうですね。とても大きな情報です。
まず、キーの女の子を見てみましょう。女学校ということで、女子生徒ということになります。
なんかアクセサリーとか高価そうですね。ドレスもさらっさらだし。やっぱイギリスの質素で厳格な寄宿学校とはなんか違う、お嬢様学校ですね
食べちゃいたい
あまりにも服が純白で背中が薄かったため、最初観た時、これは下着であって、ドレスは脱がされて横の椅子に掛けられてるやつなんじゃないかとも考えました。が、後ろの2人と同じようなベルトをしているので、今着ているこのドレスはアウターのようです。
ちなみに、当時はいわゆるパンティに相当する下着は元々はいてないです。ドレスをめくったら生尻です。
そして、体勢はベンドオーバーです。
まさかの祭壇にベンドオーバーしてます。
イ○スにガン見されてるし。現実的にはちょっと無理がありそうな体勢で、ほぼほぼ肩の部分くらいしか台に乗っていません。また、脚も右のつま先が床に触れている程度。
もうちょっと適切な場所はなかったんですかね、シスターさん
お尻は丸出し状態です。
まあ、枝鞭ですし、丸出しで妥当でしょう。っていうか、そのふっかふかドレスじゃ、パドルもダメージ通らなそう。お尻自体は、全く染められていない、ぷりっとした赤みのある白い肌です。つまり、まだお仕置きは始まっていません。
にしても、片尻が顔に匹敵するような、どしんとした迫力あるお尻ですね。
顔は…… ちょっと陰になっていてわかりにくいですが、頬を真っ赤にして涙を流しています。くっきりさがある目鼻立ちなので遠目だと気付かなかったですが、よくよく見ると結構年齢が低そうな感じがします。後ろの2人のお嬢様方も、結構幼いですね。
そこのあなた! この絵を見た時、女の子のおしりしか見てなかったんじゃないですか? この絵には、もっともっと一杯のストーリーが込められていますよ。それを楽しまないのは、もったいない!
アダム・ヨハン・ブラウン先生は、「これがお仕置きの原因だろう」というものを絵に描き入れています。さて、問題。それは、何でしょうか。
……分かりましたか?
誰がどう見ても、これじゃい!!
さあて、床には封筒とそれに入っていたと思わしき手紙、そして何かの絵が。
アメリカドラマで、親が授業料を払えなくて生徒がお仕置きを受けるなんてシーンもあったりしましたが、その類のかしこまった感じのお手紙ではなさそうですね。
というか、同封されている絵、人のようにも見えますね。なんかやらかしちゃってますねえ。一体全体この高貴なお嬢様は、この厳格なカトリックのスクールで、何をやらかしちゃったんでしょう。
と、殿方かな。殿方の肖像かな、いやあ、あはは
これ以上は画家先生は想像に任せています。
お仕置きを受けている女の子以外にも、ここにはさらに2人の女の子が描かれています。
あ、いい表情ですね。(素のコメント)
さて、ここで怯えている2人。彼女たちについて考えるべきことはもちろん、「この2人もお仕置きを受けるのかどうか」です。
仕草や表情から、受けた後、という可能性は低い気がしますね
お仕置きを受けるんじゃないか説
お仕置きは受けないんじゃないか説
イマジネーションを解き放ちたまえ
アダム・ヨハン・ブラウンはウィーン美術アカデミーで美術の勉強をしています。あの、ヒトラーが受験に失敗してユダヤに恨み抱くことになった、歴史ある(?)美大です。
当時の校長は、多くのハプスブルクの肖像画を描き残したマルティン・ファン・マイテンス(Martin van Meytens)。彼の作品は、世界史の教科書などで、一度は見たことがあるのではないでしょうか。こんな絵とか。
今回の画の作者、アダム・ヨハン・ブラウンは、このマイテンス先生に師事しています。
そしてこの、マイテンス先生、割と変態的な絵を作成されています。それが、この2枚の絵画から構成される、『跪く修道女』(1731)です。
……
このたっぷりとした肉々しいお尻のベンドオーバー、上の弟子であるブラウンの絵画にも引き継がれていると言ってもよいのではないでしょうか。
断言できるわけではありませんが、これはパトロン貴族がマイテンスに「エロイラスト」として描かせたんじゃないですか? 他の可能性としては、罰を受けるために待っている従順な修道女を描いているということもありますが、いやあ、ニコニコしすぎでしょ。
っていうか、後ろにいる年寄りの修道女、怖っ
これは、この作品を「教訓的な」作品にするための口実として、罰を与える人を描いているだけです!
変態さんですね
そんな、妄想、もとい想像を膨らませながら、スパ絵画を楽しむのも一興ではないでしょうか。
では、次の絵画で。