『“Frank” and I 』1部第6章: アンナ・リーはいかにして時計を盗んだか【英国スパンキング小説】

― 職業選択。― 静かに耐える。― アンナ・リーはいかにして時計を盗んだか。― 背負われと鞭打たれ。― 見物する男。― 尻に滲む血。― 鞭打ちの光景がもたらすもの。― メイドのルーシー。― 楽しい遭遇。― 短く甘く。―“フランク”、いくつかの質問をする。
FrankAndI_懐中時計

― 職業選択。
― 静かに耐える。
― アンナ・リーはいかにして時計を盗んだか。
― 背負われと鞭打たれ。
― 見物する男。
― 尻に滲む血。
― 鞭打ちの光景がもたらすもの。
― メイドのルーシー。
― 楽しい遭遇。
― 短く甘く。
―“フランク”、いくつかの質問をする。

 不要にこの物語を引き伸ばすのもどうかと思うので、舞台を何か月か先に飛ばそうと思う。

 “フランク”が17歳半ばになったころから再開しよう。彼女は背も良く伸び、170センチほどに達した。今までにも増してかわいくなり、スタイルは抜群だ。

 下半身の発達度合いは僕が直に保証できるが、上半身に関しては未だに裸体を見たことがなかった。彼女はよく発育した身体の上に、常に長めの上着を着ることで、若い男を装っていた。メイドたちが、彼女たちが呼ぶところの「ミスター・フランシス」に対して、うっとりする眼差しを向けているのを何度も見かけた。

 僕は常に彼女を男として扱い、かつ男であることに疑いを持っていることを微塵も見せなかった。彼女の方から秘密を教えてくれる時を待っていたのだ。いつか伝えてくれる。そして、その時こそ2人の間に何かが起きる時だ。

 今や僕は彼女の虜だった。彼女が僕のことを好きなことも明らかだった。 おそらく無意識にだと思うが、女らしい仕草で僕への愛情を示してくれていた。正直、もし僕が秘密を見ていなかったとしても、女であることは駄々洩れだったのではないだろうか。


 ここしばらくの間、僕はよく家を留守にした。1か月ほど出かけることもたまにはあった。しかし“フランク”はいつもオークハーストに残っていた。たとえ1日であっても、この住み慣れた家を離れたいとは主張しなかった。

 “フランク”は女性としての嗜みを身につけてこそいなかったが、読み書きもよく出来たし、総合的に見て同い年の女性の上位1割に入るくらいはしっかり教育されていた。もう僕が授業をしてやる必要もない。しかし、未だに理由付けできる機会があれば、膝の上でお尻ペンペンの躾は続けていた。

 彼女はたまに、わがままになることもあった。まあ、白状はしておくが、今や花盛りの素敵な女の子である彼女のズボンを下ろし、その大きく丸い尻を真っ赤に染め上げるのが楽しくて仕方がなかったのだ。

 酷いお仕置きをすることはなかった。と言っても、いつも白い両尻が赤く染め上がるように強く、また涙を流す程度には痛くして、彼女が僕の固いペニスの上でもがくようにした。途切れることなく擦り合う刺激は、極上の喜びだ。
 そもそも彼女自身、この年になっても、膝の上に乗せられることに関しては少しも反論しなかった。お仕置きを気にしているようにも見えなかった。

 もしやと思うが、最近は鋭い女性の勘を持って、僕がお尻ペンペン好きなことを感じ取っているのではないか? 彼女が時々わがままに振る舞うのも、単に僕の愛の鞭を受けたいからなのではないか?

 いや、だとしてもだ、17、18の青年は、素直に膝の上でお尻ペンペンされないだろうが。なぜそこに疑問を持たない。彼女の役作りは、もはや崩壊していると言っていい。

 それから、あの子はトムの件以来、他の男の子をペンペンしたのだろうか。私は、したんじゃないかと思う。お仕置きを与えたいという欲が一度でも生まれてしまったら、男であろうと女であろうと、その熱を消すことはできない。あの哀れなトムの尻を叩いた時、彼女は明らかにその欲望を持っていた。

 一方で彼女は、以前はあからさまだった使用人に対する幾分尊大な態度を、すでに改めていたし、それもあって使用人たちも、彼女に対して尽くすようになっていた。特に執事のウィルソンだ。彼は僕のことはいつも蔑ろにするくせに、“フランク”のことは「私らの小さなジェントルマン」とか何とか呼んで、彼女に関することはとても気を使っていた。

 僕は時に、彼女の秘密が周囲にばれてしまったら、どうなってしまうのだろうと思い、気が休まらなかった。いつ露見するとも知れない。そうしたら僕は、3年もの間、屋敷の中で少女に男装をさせ続けていた男として、近所の老若男女に戦慄の目で見られかねない。

 僕は他人にどう思われようと気にする性格ではない。しかし、この平穏な生活のために、近所の人間に“フランク”の秘密を知られるわけにはいかなかった。もちろん、いつかは彼女をオークハーストから出してやる必要があるし、その後も世話は続けてやりたい。だがそれまでは、彼女に楽しませてもらうつもりでもいた。

 僕はこの偽りを脱ぎ捨てて、彼女をこの手で女として抱きしめるその瞬間を心待ちにしているのだ。先人も「待てば海路の日和あり」とか言っている。だから実際のところ、僕は長い間待った。

 しかしながら、本当にこれ以上待つべきなのだろうか、とも思い始めていた。

 あの子は明らかに僕が好きだ。彼女は優しい性格で、僕によく触れたがる。隣の丸椅子に座っている時なんかはいつも、その綺麗な青い目で上目遣いに僕を見ていた。そんな仕草を見ていると、彼女が肌を許してくれるだろうということは、疑いようもなかった。しかし、彼女に手を出す前に、彼女の方から自らの意思で、女だということを伝えて欲しかった。

 なんとも勝手なことに、彼女は自分の本当の性別を隠しているくせに、僕に男として扱われるのが嫌なようだった。そしてある夜、少し魔が差して彼女のことをからかっていたら、彼女はうっかり自分の秘密をバラしてしまいそうになったことがあった。


 ある夕食後、応接間でくつろいでいる時に僕は言った。

「フランク、君はもう立派な青年だ。そろそろどんな仕事に就きたいか考えてみなくちゃな。金の心配は要らない。一体何がしたいんだ? 軍人になるにはもう手遅れかもしれないが、例えば、法律関係、教会関係、医療関係なんてのもあるぞ。この中ではどれか学びたいものはあるか?」

「え!?」
 青ざめて彼女は叫んだ。

「そんなこと考えたことありませんでしたよ。あなたと一緒にいるのが幸せです」
「なんだって? お尻をペンペンされるのに?」
 僕は笑い、彼女も微笑んだ。
「そうですよ、お尻ペンペンなんて気にしません。だって、それなりの理由がある時だけですから」
 僕は再び笑って言った。
「ああ、それなりの理由がある時だけだ。僕も君といられて嬉しいよ。とても気が合うしな」
「じゃあ、ずっと一緒にいてくださいね」と彼女はすかさず言った。

「だけど僕だっていつかは結婚するだろう。そうするとそれまでの通りの生活じゃなくなる。君と遊んでばかりもいられないだろう。だから何か職に就いた方がいいと思ったんだ。ある程度自立して生きられるように」

 結婚という言葉を聞いて、彼女は深いショックを受けたようだった。顔色が変わり、唇が震え、哀れな表情で僕を見つめた。

「そんな!」
 彼女はかすれた声で言った。
「そんなこと、考えたことがなかったです。どうしたらいいんでしょう」
 目には涙が溢れてきた。こんなことを言うのもかわいそうだとも思ったが、僕は笑い、冷やかすように言った。
「何言っているんだ。子供みたいに泣くんじゃない。女の子だと思われたらどうする」

  彼女は頬を涙で濡らしながら、僕のことを見つめて言った。

「泣いちゃいけないって分かっています。でもダメなんです。わ、私は……」

 彼女はそこで急に言葉を止め、ハンカチで顔を覆った。

 少し冗談が過ぎたかもしれない。僕は彼女を慰め、まだ十分に時間がある、今はまだそこまで考えなくても大丈夫だと伝えた。彼女はその言葉にほっとしたようで、泣くのを止め感謝の笑顔で僕を見た。

 それからしばらく、2人で楽しく会話をした。彼女は「一日の苦労は一日にて足れり」を地で行く明るい子だ。僕らはチェスで遊んで、読書を楽しんだ。彼女の秘密は語られぬまま、僕らはおやすみをした。


 別段書き記すべきことがない2週間が過ぎた。丁度その頃、“フランク”と直接関係があるわけではないが、ちょっとした出来事が起こった。

 ある日の朝食後、僕は玄関ホールにある、いくつもの東洋の武器をかたどった装飾品を整理していた。その時、1人の女の子が手紙を持って入って来た。近所の人がうちの管理人小屋に届けたもののようで、そこにはすぐに私に届けるようにと書かれていた。

 持ってきてくれた子はアンナ・リー。5、6年前にジプシーのバンドがこの村に置き去りにしていった、15歳の寄る辺のない孤児だった。うちの管理人小屋のグローブ夫人の慈悲がなければ、彼女は収容施設に送られていただろう。グローブさんは、哀れなその子を一緒に住まわせることにしたのだ。

 手紙にはすぐに返答が欲しいと書かれていたので、僕は少女に玄関ホールで待つように言い、返事を書くために急いで図書室に向かった。数行の返事を走り書くと、玄関に戻り、手紙をアンナに渡し、遅れることないよう届けるように言いつけた。

 彼女が出て行った後、僕は戦争の記念品を並べ直し、仕事を始める前に取り外した懐中時計を付け直そうと、テーブルに向かった。しかし、よく探しても、時計が見つからない。

 それは父から受け継いだ、大きく伝統的な金の懐中時計で、大切なものだった。アンナ・リー以外に玄関ホールにいた者はいなかったので、彼女が盗んだことは明らかだった。
 僕は頭に来て、すぐ彼女を追うことにした。彼女がくすねた物を隠す前に、捕まえなくてはならない。だから僕は、使用人には何も言わずに屋敷から飛び出した。門を走り抜け、路上に出た後、彼女を探して周囲を見回した。しかしどこにも彼女の姿はなかった。僕は管理人小屋に戻りグローブさんに話をした方が良いと思い直した。


 グローブさんは丁寧に僕を迎えてくれた。整った小さな部屋に僕を通した後、一番いい椅子に座るように言ってくれた。彼女は僕の前に立って、僕が話すのを待っていた。
  彼女は45歳くらいの、ふくよかな女性だった。彼女の夫は生前、長年この屋敷の管理人をしていた。彼が亡くなった後も、妻である彼女の事務能力を見込んで、アシスタントの娘とともに、そのまま住み込んでもらっていた。グローブさんはここで生まれ育ってきたので、僕とオークハーストに心から尽くしてくれていた。
 僕は彼女に事の顛末を話し、アンナの行いから目を離さないように頼んだ。そして可能であればアンナが時計をどうしようとしているかも確かめてくれと。

 この立派な女性は、僕の失くし物を心配しつつ、いつもトラブルばかり起こしているアンナに対して激怒した。そして彼女は続けた。

「アンナの奴はまだ時計をどこにも隠してないでしょうね。おそらく身につけとるはずです。帰ってきたらあの子を調べましょう。もし持っていたりでもしたら、あの子が今までで受けた中で、一番きつい鞭を与えてやりますわ。一番を、何回もね」

 僕はその語気の強さに笑った。アンナの体から時計が見つかったら、彼女のお尻は腫れ上がるのだろう。グローブさんは続けた。

「旦那様、もし時間がおありでしたら、ここでお待ちください。そんでもって、もしあの子に灸をすえる必要がありそうであれば、それをご覧になってくださいな。あの子のしでかした事について、それで少しはお心が晴れましょう」

 僕はアンナへのお仕置きの見学という提案にいささか驚いたが、嬉しかった。「鞭の愛好家」となってから、僕はよく女の子が打たれるところをみたいと思っていた。そしてまさに今、その機会が訪れようとしている。初めて見るお尻が、この迫力ある女性の樺鞭で赤く染まっていくなんて、涎が出るほどエキサイティングだ。

 というか、既に立ち始めていたが。

 僕は、成り行きがどうなるかをここで見守ることにすると伝えた。
「アンナが泥棒であることは疑いようがないんだが、もし帰ってきた時に時計を持っていなかったらどうしようもないな。盗んだという証拠がないのに鞭打つわけにもいかないだろうし」

「そうでございますね、旦那様」
 グローブさんは残念そうに言った。

 彼女が話し終えようとしたその時、外のドアの音が聞こえ、アンナが帰ってきた。グローブさんは、アンナをこの談話室に呼んだ。彼女は僕を見た途端、急にそわそわしながら、手紙を相手に届けて来たことを伝えてきた。

 アンナ・リーは前に述べた通り、15歳を少し過ぎたばかりの、よく成長した体格の良い娘だった。見た目は悪くないが、生意気な顔つきをしている。肌は暗いオリーブ色で、髪も大きな目も黒かった。また、歯はとても白く、唇は赤かった。元々ジプシーの血が流れているのだろうし、見た目からも間違いなくそう思えた。

 綺麗にまとまった綿の上着を着て、白いエプロンをつけ、また頭には赤いリボンのついた亜麻布の頬かむりをしていた。総じて、鞭にはぴったりの一品だ。アンナは頭の布を取り、部屋を出て行こうとしたところで、 グローブさんに止められた。

 彼女は端的に話を進めた。
「先程お屋敷に入ったろ? 旦那様の時計が無くなってさ。どうせあんたが盗んだだろ、調べさせな」

 そう言うとグローブさんはアンナを取り押さえた。アンナは驚いたまま、疑いに関しての否定さえ口にしなかった。そしてずっと突っ立ったまま、身体検査を受けていた。グローブさんは最初ポケットを探っていたが、その後袖の中に隠していないかと腕を確認し、服の前を緩めて懐も当たってみた。しかし探し物は見つからなかった。きっとアンナは、既に時計を手放してしまったのだろう。

 今回の尻叩き鑑賞は、お預けになりそうだ。

 しかしグローブさんは調べるのを止めなかった。そして驚くことに、両手をアンナの服の中に突っ込んで手探りした後、勝ち誇った声で叫んだ。

「見つけましたよ、旦那様!」

 そしてグローブさんは、アンナがどうにかして服の下に隠していた時計を取り出し、僕に見せた。

 こうして犯人は、現行犯も同然の言い訳できない形でとっ捕まった。アンナの顔は青ざめ、むっとした表情で両手でエプロンの裾をいじくり回していた。

「この、大馬鹿者!」
 グローブさんは言った。
「覚悟しなさい。あんたみたいな泥棒、お尻を真っ赤に腫らしてしてやるから」
 それから彼女は、ドアに向かい自分の娘を呼んだ。
「ファニー、鞭を持って来て!」

 アンナの黒い目はちょっと僕を見て、怒り爆発中のグローブさんに向き直った。彼女はむっつりしながら言った。
「ちょっと、旦那様の前で鞭打つっていうの?」
「その舌引っ込めてな! あんたなんか、村のど真ん中で鞭打たれるべきね!」

 その時ファニーが、恐るべき樺鞭を持って部屋に入ってきた。テーブルの上に置かれたそれは、僕が“フランク”に使っていたものよりもはるかに太く長かった。

 ファニーは、確か23歳の、背が高く、がっしりとして肩幅の広い、男並みに力のある田舎娘だった。母親は手短にアンナのした事を話し、こう付け加えた。

「今からきつい鞭を食らわせてやるから、こいつをしっかり押さえといてくれ」

 ファニーはちらっと僕を見て少し動揺したが、静かに言った。

「分かったわ、お母さん。しっかりと押さえておくから。前もやった通りに」

 ファニーはアンナの手首を掴み、体を反転させて、彼女を広い背中の上に軽々と乗せた。そして、少し脚を開き、十分前屈みになった。泥棒のお尻は突き出され、お仕置きを受けるのに最適な体勢となった。
 それからグローブさんは前に歩み出て、アンナのスカートを肩までたくし上げた。そして、粗末だが綺麗なペチコートとシュミーズも同様にした。最後に、彼女は全部の衣服を、お仕置き中にずり落ちないように丁寧に留めた。

 アンナはドロワーズを履いていなかったため、すでに腰から靴下までは裸だった。年齢の割に体は非常によく発育していた。お尻は広く、鞭を受ける場所には事欠かなかった。太ももも大きく、脚は、肉厚だった。そして、黒いリボンがついた膝上までの白いコットンの長靴下を履いていた。彼女の肌は清潔感があり、きめは荒いが、オリーブがかった健康的な色をしていた。

 そして僕はすぐに、彼女の丸く肉付きの良い両尻に、いくつかの薄いピンクの線を認めた。前回の鞭が、そこまで昔の話ではないことは明らかだ。グローブさんは腕まくりをして、その鍛え上げられた腕を見せた。そして鞭を取り上げ、その先でアンナの尻のピンクの線を指し示した。

「ここはですね、旦那様。ほんの3日ばかし前に、この小賢しい娘が生意気だったもんで与えた、仕置き痕でさあ」
 鞭の先がそこに触れた瞬間、泥棒の体を痛みの戦慄が走った。しかし、彼女は何も言葉を発さなかった。
「何発がよろしいでしょうね、旦那様」
 グローブさんは左手で鞭の先が分かれるようにほぐしていた。

 僕の目はアンナの大きな尻に釘付けになった。僕はかなり興奮していたし、勃起もしていたが、返事をする時は、落ち着いた重々しい態度を保とうとした。
「そうだな、18打はどうだろう。グローブさんが可能ならだけど」

 グローブさんは笑って答えた。
「わたしゃ問題ありませんよ、旦那様。この子も驚くでしょう。これまでに受けたこともないような鞭を受けるんですから」
 アンナは「お馬の背中」でモゾモゾしていた。

 鞭が高く上げられた後、十分すぎる強さで1打目が振り下ろされた。アンナのふっくらした尻肉は意思に反して震え上がり、長い紫色の線がすぐオリーブの肌に浮かび上がった。衝撃でビクッとした後、彼女の両尻がグッと引き締められるのが見えた。頭は後ろに反り返り、引きつったような鋭い息が歯の隙間から漏れる。

 何度も何度も、鋭い鞭が「ヒュッ」という音とともに空気を切り、悶える泥棒の尻に叩きつけられた。痛みで息ができないようで、彼女は喘ぎ、喉を鳴らした。あまりにも強く歯を食いしばっていたので、顎のラインが頬に浮かんでいた。涙が零れ落ちていたが、大声は上げなかった。

 ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!

 彼女はもはや鳴き声を噛み殺すこともかなわず、鞭がお尻に当たる度に長く甲高い叫び声を上げ始めた。ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ! グローブさんはゆっくり、一打一打の間に間隔をあけて、アンナが、次の一打が来る前に、最大限の痛みを味わうように打ち続けた。

 彼女は泣き喚いて許しを請うた。あまりにもアンナが激しく暴れるものだから、この屈強なファニーでさえも、1、2度はよろめいてしまった。

 ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!

 彼女の尻はミミズ腫れでボロボロだった。赤く染まり、所々は紫の斑点になっていた。止めてくれるよう大声で叫びながら、足をだらっと下ろしたかと思えば、ありとあらゆる方向に蹴り上げていた。腰を反らして、身体全体を左右に振っていたので、時たま彼女の、黒い巻き毛が生え始めたばかりの性器が見えた。そのピンクの小さな口は、あたかも腫れ上がった尻に同情するかのように、かすかに開いていた。

 ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!

 鞭はゆっくり、しかし容赦なく上下を繰り返した。次第に彼女は、耳をつんざくような叫び声を上げ始めた。激しく暴れ、足をジタバタさせ、ついに彼女の真っ赤な両尻には、血が滲み始めてきた。

 ヒュッ!

 最後の一打が、叫ぶ少女の尻に振り下ろされた。グローブさんは鞭を置き、エプロンで火照った顔を拭った。そしてアンナの服を下ろして、まるでプラムのプリンのような、傷だらけの尻を覆い隠した。ファニーは犠牲者の手首を離し、床に立たせた。鞭を受けた尻の痛みで彼女は泣き、体をよじり、さながらダンスをしているようだった。グローブさんは口角を上げて言った。

「アンナ、また伝言を頼まれてお屋敷に行ったとしても、もう二度と何かを取ろうなんて気は起こさないだろうね。さあ、お行き!」

 アンナは悲嘆にくれた真っ赤な顔で、唇を震わせ、頬に涙を流しながら、ぎこちなく摺り足で部屋を出て行った。彼女の両手はしっかりと尻に押し当てられていた。
 ふとファニーを見ると、彼女も目をギラギラさせながら笑っているのに気づいた。しかし、僕に見られているのに気づくと、赤くなって真面目な表情に戻り、鞭を手に取ると急ぎ足で部屋を出て行った。

 グローブさんは僕に向き直り言った。

「旦那様、この鞭打ちでご満足いただけたらいいのですが。当分の間は懲りていると思いますよ。何日かはまともに座れやしません」

 僕はこれまでになく興奮していた。そして 今の感情を隠すのは大変ではあったが、できる限り冷静を装い、グローブさんに自らの満足と彼女が取ってくれた処置への感謝を伝えて管理人小屋を後にした。

 自分の中には、強い欲望が満たされていた。

 変な話だが、今まで“フランク”に対して行なってきたどの鞭よりも、たった今、目の前で行われた鞭の方が興奮させられたのだ。

 罰は凄惨であった。それ故に、醜く歪んだ少女の裸体は艶かしかった。震える肉体、血が滲む臀部、合間に見える少し開いた性器。これらもすべてが僕の血を煮えたぎらせた。僕のペニスは爆発寸前で、玉もずきずきしてきた。


 僕は屋敷に戻り、寝室へ上がると扉を閉めた。それから、安楽椅子に倒れ込んだ。勃起は未だに収まる様子がない。

 その時になって、ルーシーという名のメイドが家の掃除をしているのに気づいた。彼女は25歳くらいで、暗めの茶色い髪の毛と大きな赤褐色の目をした、器量も体つきも良い女性だった。

 彼女は急に僕が入ってきたものだから驚いたようで、僕をぽかんと見つめていた。僕も彼女を見つめ返した。その時の彼女の眼差しはとても「魅惑的」だった。綺麗な、ぴったりしたピンク色の綿のドレスは、いい感じに胸の形と腰のふくらみを見せつけていた。その時まで僕は、女性の使用人と馴れ馴れしくしないように気をつけていた。正直に言うと、それは別にモラルの良し悪しからではなく、単に面倒事が起こるのが嫌だったからだ。
 さらに僕は潔癖だった。メイド達は衣服や、本人の体も、然るべき清潔さを保っていないことがしょっちゅうだった。

 しかし今や、僕のそそり立ったペニスが、女が必要だという事実以外はどうでもよく思わせていた。部屋の中に女が1人いる。だから彼女の貞操を奪ってやろうと決めた。彼女をよく知ってるわけじゃない。処女かもしれないし、違うかもしれない。もし処女だったら、すぐに拒絶してくるだろう。だがもしそうでなければ、抱かせてくれるような気がする。こんな考えが、このメイドを見た瞬間にすごい速さで僕の頭を駆け巡った。

「ルーシー、君はかわいい娘だね」
 僕は言った。

 そんな言葉を僕にかけられたことなど今までなかったものだから、彼女は驚いて僕を見た。それから僕のお世辞に気をよくしたようで、少しにやけた。
 僕は大胆にも彼女に近づいていき、腕を彼女の腰に回し、口を彼女の唇に押し当て、熱いキスを続けた。彼女は少したじろいだが、急に襲いかかってきた僕に対して赤くなったり、恐れを抱いたりは全くしていないようだった。僕はもう一度キスをした後、椅子に座り、彼女を膝の上に引っ張った。

 彼女は気乗りしない様子で僕に抵抗した。
「お放しください旦那様、お放しください」

 しかし僕は片腕で彼女の腰をがっしり掴んで、熱いキスをした。同時にドレスを通して胸の輪郭を感じた。僕は頭を彼女のペチコートの中に突っ込み、ふくらはぎを押さえた。彼女はより抵抗し、声を上げた。

「だ、ダメです旦那様! 手をお放しになって! そんなことをしてはダメです!」

 しかし言葉とは裏腹に、逃れようと暴れたりはしていなかった。だから僕は手をさらに奥に入れ、彼女の下着をほどいた。僕の手はぴったり閉じた太ももの間を押し進み、その人差し指で、柔らかな巻き毛に厚く覆われた「快感スポット」を弄った。
 彼女はもはや抵抗するのを止め、僕の肩にもたれかかり、顔を赤くしていた。胸が荒く持ち上がり始め、官能的な目に変わってきた。この女性は間違いなく、今まで男性にあそこを弄られたことがある。そうじゃなきゃ、こんなにおとなしいはずがない。

 僕が指を動かしていくにつれ、彼女の体はこわばった。膝の上でもじもじしながら、顔を緩ませて息を荒くしていった。明らかに彼女も興奮していたので、僕は最後の仕上げにかかり始めた。僕は彼女を腕で抱き抱え、ベッドに運び、その上に寝かせた。彼女は全くと言っていいほど抵抗しなかった。そして彼女は静かに、両手で顔を覆いながら仰向けになった。よかった、やらせてくれるのは明らかだ。もし抵抗されたら、レイプになるところだった。その瞬間、僕は興奮の極みだった。

 僕は彼女の横に座り、両腕を彼女の服の下に入れ、下着をゆるめると、それを足から引きずり下ろした。奥に入れた手は彼女の豊かな身体をまさぐった。彼女の大きく肉厚な尻を握り、しっかりとした丸い太ももをさすり、再び性器を弄り、そして優しくその毛を引っぱってみる。

 それから、ドレスの前を開き、彼女がさせてくれるがまま、その大きな胸の間に深く手を埋めた。僕は自分ズボンのボタンを外し、怒り狂った一物を外に出した。それから彼女の腰から下の衣服を全てたくし上げ、下半身が見られるようにした。しかしどうも見られるのが嫌だったようで、彼女は手で陰部を覆い、もう片方の手でシュミーズを引き下ろして隠そうとした。

「やだ、見ないでください」

 男にやらせて感じるのは好きなのに、見られるのだけは嫌だという女がたまにいるが、謎だ。

 僕は笑って彼女の手を引き離した。全てが丸見えになった。どの点においても彼女は清潔で、身につけているものも良いものだった。手足はすらっとしていて、肌は白く、明る目のブラウンの陰毛が大事な所に影を落としていたた。僕は彼女の脚を開かせ、その間に自らの一物をちょっと差し込んだ。そこそこ締まっているようだ。腕を彼女の体に回し、力強く剣を鞘に押し込み、力一杯動き始めた。

 ルーシーは喜んでいるようだった。両腕を僕の体に巻きつけ、僕の動きにとてもよく応えてくれた。しかし僕が興奮しすぎていたため、それは長くは続かなかった。すぐに僕はひきつけを起こし、その瞬間彼女のヴァギナに熱い液体が流れ込んだ。その間彼女は、僕の下で尻を動かしもがきながら、与えられる全てを受け取った。

 僕は彼女の服を引き下ろした。彼女は僕を見上げ、笑った。彼女は満足した表情をして、その目は潤んでいた。

「旦那様、そんなことをなさってはならなかったのに。びっくりしたじゃないですか」
 彼女は拗ねたふりをしていた。

「そんなことないだろう」僕は笑った。
「欲しがってそうだったから、やっただけだ」

 彼女も笑い、その頬には赤みが差した。ベッドから飛びのくと、落ち着いてドレスの前側を閉め、ペチコートを綺麗に直した。それから窓を鏡のように使って、被り物の下にある髪を整え、満足がいくと僕の方を振り返った。ルーシーは、おてんばな表情で僕を見ていた。
 僕が彼女にキスをすると、彼女は部屋から出ていった。すっきりと整ったその様子は、まるで何事も起きていないかのようであった。

 僕は洗面台で身を整え、椅子に腰掛けた。気分は最高だった。もうこれは手遅れだ。今後も僕のペニスは、あの若くてかわいいメイドには楽しませてもらうことになるだろう。そう心の中で確信した。


 その日の夕食後、僕は“フランク”に、時計が盗まれて、それが戻ってきた経緯を話した。話している間彼女は注意深く耳を傾けていた。そして話し終わるや否や、質問を始めた。

「アンナはお仕置きを受けたんですね?」
「そうだね。あの子はファニーの背中に馬乗りにさせられ、グローブさんに鞭打たれたんだ」
 僕は答えた。

「で、あなたはそれを横で見ていた?」
 彼女は興味津々だった。
「その通りだよ」
「えー、本当ですか!?」
 彼女の眼に、幾分おどけたきらめきが走った。彼女は控えめな態度で続けた。
「あの子がお仕置きを受けている場にあなたがいたというのは、なんだか妙な光景ですね」

 僕は笑った。

「いやいや、僕があの子のお仕置きを見ていたって、なんら不思議じゃないだろう。今までも、女の子が鞭打たれる場に居合わせたことくらいあったさ」

「え、だって今までそんな話聞いたことないですよ?」
 僕はまた笑った。
「別に見た出来事を全て話しているわけじゃないよ、フランク君」
「まあ、確かに」と彼女は言って、質問を続けた。

「グローブさんの厳しさは、あなたが前に私を鞭で打った時と同じくらいでしたか?」
「彼女の方が厳しかったな。うん、君に与えた鞭とは比べ物にならなかった。お仕置きが終わった時、彼女のお尻には血が滲んでいたからね」

「うう、めちゃくちゃ痛そうですね」
 “フランク”は身を震わせた。
「だって、私の時は、血は出てなかったのに、お仕置き後の数時間は辛かったですよ」
「君はアンナよりもお尻の皮膚がいいんだな。まあ、彼女は強い娘だから、すぐ良くなるだろう。数日もすればお尻は癒えるはずだ」

 話題はそこで終わったが、“フランク”はなんだか心を動かされたようだった。それが楽しい感情か、不快な感情かは、私には推し量れなかった。彼女は無言で、時折僕のことを変な風に見つめながら、ぼーっとしていた。彼女は僕に秘密を喋ろうとしているのだろうか。

 しかし彼女は何も言わなかった。

 僕は呆けている彼女をからかい、本を読み聞かせてくれるよう頼んだ。彼女は笑って椅子から立ち上がり、図書室へ向かった。そして、すぐにシェイクスピアの作品集を抱えて戻ってくると、僕のそばに座り、優秀な演技力を見せつけるかのように『テンペスト』を朗読し始めた。

 時間はあっという間に立ち、僕らが別れた時には、夜もすっかり更けていた。

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