『“Frank” and I 』1部第3章: 発見、及び秘密がもたらす肉体反応【英国スパンキング小説】

― 鞭の力。― セントジョンズウッドの別邸。― 1週間の楽しみ。― “フランク”のいたずら。― 家政婦からの報告。― 厳しい鞭打ち。― 発見。― 秘密がもたらす肉体反応。― 痛々しい尻の観察。― 楽しいお出かけ。
FrankAndI_ベッドルーム

― 鞭の力。
― セントジョンズウッドの別邸。
― 1週間の楽しみ。
― “フランク”のいたずらプランク
― 家政婦からの報告。
― 厳しい鞭打ち。
― 発見。
― 秘密がもたらす肉体反応。
― 痛々しい尻の観察。
― 楽しいお出かけ。

 その後は万事うまくいった。フランクは、数日間はよそよそしく、僕を見るたびに顔を赤くした。しかし時間が経つにつれ、次第にお仕置きのことは頭から離れていったようだ。彼は明るく元気な元の自分を取り戻した。素直になり、不機嫌になることもなくなった。
 さらに、勉強もまじめに取り組み、いつ僕が確認しようとも、課題は常にパーフェクトだった。樺鞭による教訓の効果が正しく現れたようだ。素晴らしい!


 それから1週間経ち、僕は街に出かけて少しの間、とある若い女性と過ごした。彼女の名前はモード。セントジョンズウッドにある、僕の金で用意した小さな屋敷に住んでいる。
 僕がしばらく留守にすると言うとフランクは少しがっかりしたようだが、留守中も毎日3時間の勉強を続けると約束した。僕は古株の家政婦であるエヴァンスさんに彼の面倒を見てくれるようお願いした。エヴァンスさんは何でもできる万能おばさんで、このオークハーストに25年間もいる。

 僕はウィンチェスターに急ぎ、ロンドン行きの列車に乗った。ロンドンに到着すると、旅行鞄と自分の体を馬車に詰め込み、彼女の屋敷に向かった。前日に手紙を送っていたこともあり、モードはキスで出迎えてくれた。たとえ囲いの女だとしても、女性をサプライズ訪問するのは、男として間違っているからね。

 彼女は、かわいい家具を揃えた客間で僕にお茶を出してくれた。その後、しばらく僕らはおしゃべりをした。それから彼女は席を外すと、30分くらいしてドレスアップして戻ってきた。控えめで素敵だった。彼女はかわいらしく、肉付きが良い小柄な女性だった。ブロンドの髪で、柔らかいブラウンの眼をしていた。彼女は僕のことを大好きだと言い切っていて、その言葉に嘘はないように思える。

 僕らはウエストエンドまで出張って、おいしい夕食を楽しみ、カクテルをしこたま飲んだ。その後は劇場に行き、軽食を取って別荘に戻り、ベッドに入った。

 僕はモードと1週間別邸で過ごした。とても楽しいひと時だった。一日中外出して、いろいろなレストランで食事をして、劇場を巡った。
 特に夜がお楽しみだった。彼女の裸体の魅力に耽るのだ。胸は大きく丸く張りがあり、とても小さな桃色の乳首が付いている。尻は大きくふっくらしている。彼女の肌はとても白く柔らかくすべすべだった。さらにセックスも上手くて、ありとあらゆる「愛のテクニック」を身に着けていた。


 残念ながら、僕は早々とオークハーストに戻らなくてはいけなかった。先延ばしにしたくないディナーの約束があったのだ。そのため、朝の列車でウィンチェスターに向かい、午後2時には家にたどり着いた。驚いたことにフランクは家で出迎えてくれなかった。
 しばらく待っていたが、結局昼食をとってしまうことにした。あの少年はどうしてしまったのか。ふと、何か良からぬことを企んでいるのではないかと思い当たった。

 丁度昼食を食べ終わった時、ドアがノックされ、家政婦のエヴァンスさんが駆け込んできた。素敵なブラックシルクのドレスを派手に着飾り、白いレースの帽子を被って、手には織物のミトンをはめ、首には金のチェーンをかけていた。彼女は膝を曲げて昔ながらのお辞儀をした後、少しお話がありまして、と僕に言った。
 彼女は、僕が5歳の時からずっとこの家にいる。僕は彼女のことが好きだった。もともと彼女は乳母としてこの家にやって来た。僕や弟妹たちは小さい頃、よくこの人に尻を叩かれたものだ。僕は彼女に椅子を出して、聞かせてくれと言った。

「フランシス坊ちゃまのことです」と、彼女はガウンのひだを伸ばしながら言った。

「ああ、やっぱり」と僕は心の中で思った。

 彼女はおしゃべりおばさんで、すぐに話に夢中になってしまう。話はあっちこっち行ったが、それらの要点をまとめると、次のような話だった。

 僕の留守中、フランクはとても行儀良く振舞っており、何も問題を起こしていなかった。今日の朝、貯蔵庫のジャムなどを漁ってつまみ食いしてやろうと思いつくまでは。
 貯蔵庫と中の物品の管理担当であるメイドは、その若い泥棒を見つけ、文句を言い、出て行ってもらおうとした。しかし彼はそれを拒否し、メイドがしつこく追い出そうとしてくるので、ついには頭にきて、彼女の顔を2発ほどひっぱたき、髪を引っぱり下ろした。痛みと乱暴にすっかり怯えてしまったメイドは、そのまま家政婦に泣きついたのだ。

 フランクは、その後反省しメイドに謝罪をしたが、彼女は僕に言いつけるよう強く言い張ったため、エヴァンスさんは、結局僕に事の顛末を報告しに来たというわけだ。

 僕は彼の非紳士的な行いを耳にして呆れ、腹も立った。鞭を食らうべきだ。お灸を添えてやらねば。フランクが屋敷に戻り次第、自分の所に寄こすよう指示した後、僕は図書室に向かった。


 30分ほどして彼は図書室にやってきて、僕に挨拶をした。まるで自らを恥じているようだった。彼は真っ青になってびくびくしており、ずっと目を伏せたままだった。

 「フランク、今朝の行いについては非常に残念だよ。15歳にもなって、こそ泥のような真似をするとは情けないが、それについては目をつぶろう。僕が残念なのは、我を忘れてジェーンを殴ったことだ。とても卑怯で、紳士的とは言えない。そのようなことをするやつだとは思わなかった。恥を知りなさい。きついお仕置きを与えるつもりだ。すぐに準備するんだ」

 私は、鞭を取り出しながら言った。彼は鞭を一瞥して目に恐怖を浮かべ、真っ赤になった。

「恥ずかしいことをしました。申し訳なく思っています。お仕置きを受けて当然です」

 彼は低い声で言った。目には涙を浮かべ、唇は震えていた。だがその後は何も口にすることなく、ズボンを下ろしてソファの端に横たわった。
 僕は彼のシャツをたくし上げ、鞭を打ち始めた。あまりにも怒りが沸き上がっていたせいか、その切り裂くような打撃は、長く赤いみみず腫れを彼の白い尻全体に作り上げていった。彼は身をよじりながら悶えていた。鞭がシュッと音を立てて、丸く引き締まった肉に当たる度に、彼は泣き叫ぶ。皮があちこち裂けてしまっていたが、それでも僕は鞭を打つ手を止めなかった。

 しまいには彼は泣くのを抑えられなくなり、甲高い声で叫び始めると同時に、両手で尻を庇い始めた。僕は彼の手首を掴んで左手で押さえつけつつ、さらに力を入れて打ち続けた。彼はさらに大声で泣き叫び、また、哀れに慈悲を乞い、そんなに強く打たないでくれと情けを求めてきた。彼の両脚が代わる代わる、宙に舞っては蹴り出すことを繰り返す。腰は左右に大きく揺れ、痛みで転げまわりそうになり、その一瞬、彼の体が半分ほど上を向いた。そして、彼の裸体の前面が見えた。

 僕は驚愕で動けなくなり、振り上げていた腕を下ろした。鞭が手から滑り落ちた。ほんの一瞬だったが、それが目に飛び込んできた。わずかばかりに生えているカールしたブロンドの産毛が、上半分に影を落としているもの。それは、小さなピンクの花びらを持った女性器だった。

 “フランク” は女の子だった。

 あまりにも衝撃的で予想外のことだったものだから、頭がくらくらして、少しの間、呆然と立ち尽くしてしまった。ひん剥かれて小刻みに震えていた真っ赤な尻に、次の一打が来なくなったので、彼女は身じろぎを止め、哀れに咽びながらソファの上に横たわっていた。

 僕は目の前の、下半身裸で横たわっている肉体を眺めた。初めて彼女のむき出しの体を見た日に性別に気付かなかったことに、今更ながら驚いた。広い腰、膨らんだ尻の曲線、太ももの丸み、これらは十分に育った14、5歳くらいの女の子の体ではないか。
 今まで自分が鞭打ってきて、この瞬間に自分の眼下でむき出しの尻と太ももを晒しているのが少女だったということを認識すると、威勢よく勃起してしまった。こんなに一気に性的興奮を覚えるなんて、流石に敏感過ぎるだろ。

 そんな様々な考えと感覚が自分の中を通り過ぎていく一方、少女はソファで横になってすすり泣いている。どうするか決めなくてはならない。躊躇いはなかった。何も気付いていないことにする。本当の性別に気付かれてしまったことを知るには、今の彼女はあまりにも痛みを被っている。

 僕は彼女にソファから立ち上がる許可を与えた。彼女は何とか立ち上がり、ゆっくりと服を着た。体を震わせ、赤い頬を涙が流れ、唇は震えていた。

 きついお仕置きだった。尻は強烈な痛みに襲われているだろう。同じことをやらかした少年にはこれくらいの鞭を与えてやるべきだが、女の子には少し可哀そうだ。
 だが同時に、目の前にいる短髪で男物の服を着た彼女は、まるで男の子としか思えなかった。どう見ても13歳くらいの男の子だ。なんだか少しおかしく思ってしまったが、笑うのは堪えた。にこりとでもしようものなら、彼女は秘密が知れたことを感付くかもしれない。僕は厳めしい顔つきを崩さず、冷たく硬い声で言った。

「フランク、行きなさい。きついお仕置きだったが、それだけのことをしたんだ。女性を殴るなんていう非紳士的なことは二度としないことを願うぞ」

 彼女は、未だに大粒の涙がしたたり落ちる目を擦りながら、ぎこちなく部屋から出て行った。女であることを知られてしまったことなど、微塵も気付かずに。

 ドアが閉じられると、僕はちょっとだけほっとした。あまりにも突然かつ衝撃の事実だったので、心の準備ができていなかったのだ。今後どう彼女と接していくか、考えをまとめるために少し一人になる必要があった。葉巻に火を付け、肘掛付きの椅子に腰かけた。ふかしている間は頭が回る。“フランク”(自分はまだ内心でそう呼んでいるが)が我が家の一員になってからのことを全て思い返した。そして、たった今得た事実を鑑みると、腑に落ちなかった多くのことに合点がいった。

 “フランク” が女性から尻叩きを受けたのを笑った時に、“彼”が戸惑った理由が分かった。なぜ僕の前でズボンを下ろすのを躊躇したのかが分かった。なぜ鞭を受けた後、恥ずかしがったのかや、同時に、なぜ顔を赤らめてちょっと怒っていたのかの理由も。
 これまでの元気だったりふさぎ込んだりと気持ちの移り変わりが激しかったり、とても感情的になったりするのも不思議に思っていたが、今や全てに説明がつく。この神経質な不安定さはまさに思春期の女の子であるし、生理からくる調子の変化であったのだろう。彼女はどうやって月の物をメイド達に隠し通せたんだ? 彼女たちなら、この類のことはすぐ感付くと思うんだが。だが意図的に性別を隠していたのは疑いようがない。この屋敷で彼女の秘密を知っているのは、今この時点では自分だけであるはずだ。

 しかし、どうやってあの子は男物の服を手に入れて、なぜ男だと偽ってきたんだ? 彼女はどこからやって来て、さらに見返りなしに彼女を引き取った謎の女性たちは何者なんだ? 3度も尻叩きを受けてまで強硬に拒んだ要求とは何だったんだ? 納得のいく説明が思いつかず、考えるのが嫌になってきていたが、判明するのもの時間の問題だとも思った。

 あの女の子は我が家に置いておこう。まだ女であることを隠すつもりでいるなら、そうさせてあげよう。別に彼女が女だと見破ったことを知らせる必要もあるまい。
 最終的にどうなるかはわからないが、その時までは、全て今まで通りだ。それにだ。男装の素敵な女の子という、自分しか知らない秘密を持っているのも、なんだか刺激的じゃないか。
 しかも、たまに彼女のむき出しの下半身を拝めるというのだ。彼女がおいたをする度に、そこまで厳しくなくともある程度の十分な強さで、彼女の小さくかわいい尻の、白くふっくらした2つの丘を、バラ色に染め上げてやるんだ。

 こんな美味しいアイディアを考えるだけで、僕のペニスがそそり立ってくる。常日頃から女性の尻が大好物だった。だけど今まで、まさに今日この日まで、それを鞭打つなんてしてこなかった。若い女に鞭を当てるのが好きな男が存在するのは知ってはいたけど、自分がそうするとは夢にも思わなかった。だが、今やその喜びを知ってしまったのだ。実際、その瞬間に私は既に鞭の愛好家になっていたのだ。

 僕は1時間あまり図書室に居座り、頭の中で様々な考えを巡らせ、プランを練った。友人達には、ヨットの旅には行けなくなったと手紙を書こう。少女を1人屋敷に残しておくわけにはいかない。事実、もう彼女から離れたくはなくなっていた。男だと思っていた頃からずっと気に入ってはいたが、今では別の感情が芽生えた。恋愛的な感情ではない。ほのかな性的欲求だ。

 だがしかし、彼女を無為に傷つけたり、堕落させたりはしまい。お仕置きが必要な時に与える。ついでに、彼女の裸も楽しむ。さしあたり、それだけのことだ。だけど、僕の頭の中では、いつの日か成長した彼女を抱いてやろう、なんていう妄想がもう止まらなくなってしまっていた。


 僕は突然ディナーの約束を思い出した。場所がオークハーストより数マイルも離れているので、あまりゆっくりしている時間はなかった。部屋に戻り、着替えて、馬車を出した。着いたのは約束の時間ギリギリだった。食事はおいしかったし、ワインも素晴らしかった。可愛い女の子も呼んでおり、その子が思いのほか元気でおしゃべりだったので、会話は大いに盛り上がった。もしこの子が、数時間前に起こったことを知ったらどう思うかな。君と同じ女の子の尻を剝き出しにして、激しく鞭で打ったんだぞ。

 帰りは遅くなってしまった。“フランク” はいつも通りの時間にベッドに就いていたので、その夜彼女を見ることはなった。


 次の日、僕が朝食を取るために食堂に来た時も、まだ彼女の姿はなかった。10分くらいして現れた彼女は元気そうではあるものの、幾分悲しげであった。彼女は頬を赤らめて俯いたまま、恥ずかし気に、朝の挨拶をした。

 僕は彼女の顔を、この子が女だという新鮮で強い興味とともに見つめた。彼女の顔は、間違いなくとてもかわいい。もしこの金髪が長く、もっと女らしい服で身を包んでいたら、彼女は申し分なく魅力的じゃないか。恵まれた顔立ち。大きく澄んだ目。キスしたくなるほど美味しそうな、バラのつぼみのような口。これまで、こんなに素敵な見た目に気付かなかったなんて、何とも不思議だ。

 それから僕は彼女の近くで、着ている服の上からその女性らしいアウトラインを見透かしてみた。彼女は腰まで覆われる2列ボタンのピージャケットを着ており、そのせいで輪郭はいい感じに隠されていた。だが僕には見える。ジャケットの下の、華奢でふっくらした咲きかけの乳房が。今は男の子として通用している。とはいえ、いつまでもエキサイティングな疑いを抱かれずに、男の服を着続けられるのだろうか。

 彼女はいつも通り僕の向かいの席に行き、注意深く腰掛けた。全体重を椅子に預けないよう、気を付けている様子だった。まだ尻が痛いのだろう。かわいそうだけど、平静を装わなくては。僕は彼女に何事もないよう頷いて、笑いながら言った。

「今朝はまだ、そこまで快適に座れるとは言えなさそうだな」

 彼女は僕をちらっと見て、何も言わずに目を伏せた。だが、いつも通り朝食はおいしそうに食べてくれたので安心した。実際彼女は、オークハーストに来て以来、体調を崩したことなどなかった。肌は透き通っていて頬は常に赤みを帯びている。アウトドア派で運動好きだし、僕の犬たちを何匹も引き連れて、毎日走っているからだろう。

 朝食が済むと彼女は暖炉の前に立ち、広く低いマントルピースの上に肘を置いた。そして鏡で自分の顔を眺めていた。
「フランク、まだ尻は痛いのかい?」僕は明るく聞いてみた。
 僕に背を向けたまま、彼女は憂鬱そうに口を開いた。
「今は座るときだけです。一晩中酷い痛みだったので全然寝られませんでしたけど」

 僕は突然、彼女の尻と、そこに僕が刻みつけた成果を見てみたい衝動にかられた。

「ここにきてお尻を見せてみなさい」

 僕は窓際の椅子に腰かけながら言った。

 彼女は振り向き、顔を赤らめて怒っているようだった。しばらくためらっていたが、僕の言うことを聞いた方がいいと判断したらしく、何も言わずに僕の椅子まで寄ってきた。そして後ろを向き、ズボンのボタンをはずし、足元までずり下した。彼女は両手でシャツの前を抑えて、大事な場所をしっかりと隠しながら、静かに立っていた。僕は微笑みながらシャツの裾を腰上まで持ち上げた。

 自分の眼前に、腰からくるぶしまで露わにされたまま立ち尽くしている、女の子らしい肉体が現れた。見つめているうちにあそこは膨らみ始め、この丸く白い太腿の間に手を入れて、小さな割れ目を感じたい、という強い衝動にかられた。しかし僕は何とか耐えた。

 それから僕は、彼女のかわいらしい尻につけられた、痛々しい鞭の痕を確かめた。肌の表面はまだ全体的に真っ赤だ。みみず腫れは和らいできているようだが、引き締まった尻には長く、紫がかった鞭の跡が、縦横無尽に走っていた。かわいそうなことをした。彼女が受けてしかるべき罰よりも、はるかに厳しく鞭打ってしまったようだ。

 僕は優しく尻の上に手を置いた。温かく、丸みを帯びていた。

 彼女はびくっとして、叫んだ。

「ささ、触っちゃダメです! 痛いんですから!」

 彼女はボタンを留め直しながら、非難するような眼で訴えた。

「こんなに強くぶたなくても……」

 僕はとても申し訳なく思った。そして、よほどのことがない限り、彼女をここまで鞭打つのは止めようと心に誓った。僕は笑いながら「大丈夫、痕は2、3日もすれば消えるから」と言い、そして加えた。
「今日は休みにしようか。昼食の後に遠乗りをしようじゃないか。夕食は、家には戻らずにウィンチェスターのホテルで済ませよう。どうだい?」
 彼女の表情はすぐに明るくなり、口元にも笑みが浮かんだ。彼女は楽しみだと答えて部屋を出て行った。僕は馬の支度を命じた後、座って新聞を読みながら食後の一服をした。

 午後2時になり、僕の2頭引きの幌馬車が玄関につけられた。“フランク” と私はコートを着て、馬車に乗り込み出発した。寒い日であったが風はなく、太陽は明るく輝いていた。道は固く乾いていたが、埃っぽくはなかった。
 馬車は風を切って走り、同時に、身を切るように冷たく、新鮮な空気が肺の中を満たしていく。僕たちの気分は晴れやかで、頬は火照って、目は輝いていた。彼女の心も高揚したようで、ひとたび話し始めたと思ったら、すぐにいつものようにけらけらと笑う、おしゃべりで陽気な明るい彼女に戻っていた。

 日が落ち始めたころ、僕たちは馬車をウィンチェスターに向かわせ、街の着いたときは午後6時になっていた。僕は、御用達の居心地の良い古風なホテルに部屋を取った。
 身なりを整えた後、僕たちは夕食の席に着いた。僕が一押しするブランドのブルゴーニュワインも頼んだ。僕は連れにグラスを渡し、今日の外出は楽しかったか、夕食とワインは口に合うかなどを尋ねた。反応は上々だった。先の恥ずかしさは欠片もなくなり、素直にいつも通り僕のことを見ていた。

 僕たちは明るい月夜の中を、軽快に馬車を飛ばし、オークハーストにたどり着いた時には既に10時を回っていた。僕は“フランク”をベッドに送った後、喫煙室で静かに就寝前の葉巻、一杯のウイスキーと水をたしなんだ。

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