\ 投げ銭ご支援/
木製スプーンとスパンキング ~ 生活の中に擬態したミニハンディパドル
木製スプーン。それは、西欧のご家庭においてスリッパと双璧を成す日用品お道具。機動力においてはスリッパを上回り、威力に関しても固くて振りやすい分、案外引けを取らなかったり。そんな木製スプーンとお尻叩きを見ていきましょう。
ちわ、道具担当七峰です。
木製スプーンは、何より何よりBDSM屋さんは絶対に使わない、とてもスパンコライクな道具ですね。
SM好き自称の一般日本人が、木製スプーンとお尻叩きを結び付けるはずもなし。よって、ニトリや無印で堂々と買って、堂々と家においておけるというのが、やはり大きな一番のメリットですね。
メインストリーム(= 非スパビデオ)のフィクションなんかで、スパンキングパドルが出てきたらちょっと違和感というか、そんなわけないだろ、という嘘っぽさが出てしまいます。しかし、木製スプーンのお仕置きは、その嘘っぽさをむしろリアルに変えてくれます。
スプーン一杯のお砂糖ならぬ、スプーン一本のお仕置きの魔法です。
お仕置きの脅しとしての「木製スプーン」
まず、イギリスのドラマの1シーンからどうぞ。
ママ「ゲリー(←パパ)、木のスプーンを。」
『デリー・ガールズ 〜アイルランド青春物語〜』という、北アイルランドはロンドンデリーのJKたちが主役のコメディドラマです。
主人公のエリンは高校2年生。制服のブレザーを拒否して代わりにデニムジャケットで「個性を出す」といきりたいお年頃。そんなエリンに、ママは一言、「木のスプーンを取って」。お仕置きは(多分)未遂です。しかし、その怖がり方が、どう考えても木製スプーンの常用を暗示させています。
え、高校生にもなってお尻叩き? とは思いますが、時代設定が90年代の北アイルランド(つまり主人公の想定生年は1980前後)なので、まあ、普通に体験談とかありそうですね。
あまりにも流れるような端的なセリフなので、おそらく見ている一般日本人は「木のスプーン? なんで?」となりそう。
が、日本語字幕が優秀で、ちゃんと「スプーン=おしおき」であることを補足フォローしてくれています。
原語の会話だと、直後、シーン変わって友達との会話で、「ママが許してくれなさそう……」と言っているのですが、日本語字幕では「ママに脅されて……」となっています。「木製スプーン(wooden spoon)」という単語が、それ以上の説明なしに「脅し」として機能しているわけです。
十分、生活に溶け込んでいますね。おしおきも、その道具も。
そもそも、木製スプーンって、何ぞや
とはいえ、日本の家庭にはそこまで常備されている物なのかは、自分はよくわからないです。なんか、スパイスとかをビンから取り出したり、スープを飲んだりするイメージです。
現在では木製である必然性はないので、むしろちょっとおしゃれなアイテムな気がしますね。だから、色々な種類の木製スプーンを持っていたとしても、むしろおしゃれなだけです! 問題ない!
今日も今日とて、駅ビルのおしゃれな雑貨屋で、自分の右手にぴったりグリップする木製スプーンを探し求める日々ね
軽くて柄も長くて、セルフスパにも最適
そういうのは、いいですから
その一方で、やはり生活に根付いていないと、あまり木製スプーンとお仕置きを結び付けにくかったりするかもしれません。いやいや、こんな弱そうな道具がお仕置きに使われるわけないじゃん。
こちらも補足として、Wikipediaの「木製スプーン」のページをご覧ください。
体罰
「Wooden Spoon」Wikipedia
木製スプーンは、文化圏によっては、親、主に母親からの体罰の道具として使用されてきた。近年では体罰は慣習的に許容されなくなったため、一種のノスタルジーの象徴となっている。
まさかの木製スプーンのWikipediaで、体罰のシンボルとしての例が挙げられています。いやあ、だって調理用具(もしくは食器)でしょう。これを見るだけで、西洋の生活にお仕置きがどれだけ根付いていたかがわかります。
そして、前項の「木のスプーン取って」というセリフがそれだけで「脅し」として成立しているのは、木製スプーンがお仕置きのシンボルの意味を持っているから、ということも、日本人の私たちでもイメージすることができるのではないでしょうか。
ヴェレチコヴァ チャレンジ ~ 木製スプーンのお尻叩きゲーム
さて、木製スプーンを語る上で外せないトピックがあります。
ガチ道具ではないため、与える方も簡単で受ける方もそんなに痛くないけど、お仕置きという記号は持っている。そんな特徴にぴったりの用途があります。
罰ゲームです!
チェコでポピュラーなゲームにVařečková Challenge(ヴェレチコヴァ チャレンジ)というものがあります。これは、交互にクイズを出し合って、間違えたり答えられなかったりしたら、木製スプーンでお尻をビシッと叩かれるというものです。頑張ってチェコ語を覚えて、ヴェレチコヴァチャレンジの動画を楽しみましょう!
一方、日本ではしゃもが聖なる(?)お尻叩き道具として扱われていました。しゃもじペンペンについてのお話はこちらをどうぞ、