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『フィフティ・シェイズ・フリード』のスパンキングを一画素残らず満喫するガイド【FIFTHY SHADES その4】
BDSMドラマの金字塔「フィフティ・シェイズ」シリーズ3作を、スパンキングに注目して解説していくシリーズの4回目です。まだ見たことない方はもちろん、何度も見た方も新しい発見を得られるよう、色々と視点を変えてご紹介していきます。
「フィフティ・シェイズ」シリーズもついに3作目。アナとクリスチャンの関係はどうなっていくのか。見どころ一杯の最終章に突入です
さて、最終作「フィフティ・シェイズ・フリード」。Freedは「解放された」と言う意味です。どう考えてもクリスチャンについてですね。そちらも注目ではありますが、肝心のスパシーンは…… さっさと結論を述べてしまうとお尻叩きは一度しかありません。最初はあんなにあったのに、徐々に尻すぼみに。
アナが妊娠した瞬間に、ああもうスパは終了なのだなと……。
日本では夏子先生が、妊娠した女性のお尻は普段よりも優しく叩くよう朝の茶の間で実演しているので、その手法は全国民周知の事実ですが、おそらくアメリカ人は夏子先生のレッスンを見たことがないので、それが期待できないです。
スパシーン 01: サービスペンペン
開始後たった7分。なんということでしょう。BDSM映画シリーズの最終尻叩きが、プレイではなく単なるスラップとは。
別にこれ、スパンキングの映画じゃないから!!
フランスに旅行に来たアナとクリスチャン。観光客で一杯のビーチで寝そべっているアナはクリスチャンに日焼け止めを塗るように要望。
日焼け止めを塗るためにビキニのトップ外したアナは、ほぼほぼ全裸で日差しを浴びている状態。全部脱いじゃいたいと言うアナに対して、けしからんとクリスチャンがお怒り。
(アナ曰くここは「おっぱいだらけのおっぱいランド」らしい。清楚女子大生から、ちょいビッチを通りすぎ、ついに玉輿人妻の余裕を見せ始めたアナさん)
アナの背中に日焼け止めをぬりぬりし終わったクリスチャンは、「終わったぞ」と言いいつつアナの豊満なお尻をペン。実際にぺんっという音を立てながら、ぷるんと震えるアナのお尻。
前言撤回します。別にこのシーンだけでもBlu-ray買います。
タブロイド紙に写真に撮られたかもと言われて、おっぱいランドの恐ろしさを知り、周りを慌てて伺うアナさん
真の玉輿人妻の貫禄はまだまだ遠そうですな
この後はスパンキングこそないものの、SMプレイやどう見ても痴女なドレス披露などのセクシーシーンは相変わらず続きますので、ご堪能あれ。
やばい、スパシーンが終わってしまった。あと何書こうか、このページ……
【小ネタ】目玉を回したらお仕置きだ
ちょっと補足的な小ネタを入れていきます。
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』が公開された時、アメリカ人たちの間に、こんな感想があふれました。
目玉を回しただけでお仕置きなんてルールあったら、自分結構やばいわwww
「フィフティ・シェイズ・シリーズ」では、1作目でクリスチャンによって「目玉を回したら (roll eyes) お仕置き」というルールが制定されます。これに従って、アナは目を回すなんていう下品で礼を失した行為を行う度にお仕置きを受けることになります。
ただ、日本語で「目玉を回す」ってどういう意味かと言われてもちょっとわかりにくい気もします。要するに「呆れる」という意味です。ただしこれは別に慣用句ではありません。実際に目玉を回します。
恐らく一度は見たことあると思うので、実際に見ればわかるかと。
うわー呆れたというときの一般的なジェスチャーですね
まあ、日本人はやらないでしょう。もし日本人やってきやがったら、そいつの尻にICBMぶち込みますね
上のシーンでは、にやけながら目を回して、それをクリスチャンに指摘されると「おしおきでもする?」と逆に挑発的なアナ。
初めてのお仕置きの原因になった目玉回しは、クリスチャンが自分の車を売り払った時でしたね。しかも彼は、アナにおしりペンペンした後、「仕事あるんで」とさっさと帰っていました。勝手に車を売って、それに呆れたアナに罰を与えて、しかも放置して帰っていたクリスチャン。なんてやつだ。
その頃の彼を考えると、クリスチャンもアナとの関係を深めるにつれて、人との関わり方を変え、それに伴って様々な心の枷から「フリード」されているのが分かります。
余談ですが、『グレイ』『ダーカー』とともにアナが断固拒否し続けてきたアナルプラグ。上GIFの目玉回しのお仕置きとして、ついにアナのアナルに挿入されます。管理人はそんなに好みなわけではないのですが、一応情報として。
トップ・フロム・ザ・ボトム (Topping From the Bottom)というBDSMプレイの禁じ手について
スパンキングトピックではないのですが、重要なBDSM用語なので解説入れておきましょう!
エンディング前の最後のシーンです。アナはクリスチャンをプレイルームに呼び出し、「ご主人様」にお仕置きを要求します。ここでクリスチャンがアナにかけた言葉が「どっちがご主人様か分からないな」。実際の英語では、
You’re topping from the bottom, Mrs Grey.
下から見下ろしているな、グレイさん
“top from the bottom” というのは、BDSMプレイにおいて、サブミッシブが場のコントロールを得ようとする行為です。これはSMプレイの禁じ手で、ロールプレイの根本を覆すマナー違反です。
“Topping from the bottom” 例:反抗
ドミナ:ドミナント (主人役)
サブ:サブミッシブ (奴隷役)
職場に和装で来るなんて職務規定違反だろ。おしおきをするから尻をだしてこっちに向けろ!
365日リクルートスーツよりは良いのではございませんか?
“Topping from the bottom” 例:コントロール
もちろんドミナントの命令に逆らったり、無視したりするのも駄目ですが、そうでなくても「場をコントロール」してしまうのは駄目です。今回のアナはこれに当たります。
ぺんっ ぺんっ、悪い娘めっ、反省していないな! もっとおしおきが必要だな!
うわーん ぜんぜん はんせい してないですー もっとおしおきしてくださいー できればもうちょっと つよく じょうずなたたきかたでー
お、おう……
【注意!】Top from the bottom は、あくまでスムーズなロールプレイに水を差す行為を意味します。サブミッシブがそのプレイが嫌だと感じたら、事前に決めた「セーフワード」を口にして、プレイを即中断する必要があります。
お前さあ、いつになってもバラ鞭の打ち方上手くなんないのな! ちゃんと練習してないだろ。私が手本見せてやる。今週はもうイスに座れないと思え!
いたいっ!! いたっ!!
ひいい、セーフワード、ええっと「レッド」!「レッド」! プレイストップです!!
なにがセーフワードじゃい! これはプレイじゃなく、怠けたお前への罰だ! 反省する気がないようだから、100発追加だっ!!
ぎょえええええ!!!
【まとめ】それで、クリスチャンは幸せになれたのか?
そんなこんなでアナに topping from the bottom されたクリスチャン。以前の彼ならきっと、良くてそのマナーを諭し、悪ければ不快感を示したでしょう。しかし彼はまあそれもありか、とアナの態度を受け入れます。
全てをコントロールすることを欲し、自分がルールだった彼がたどり着いたのは、愛するアナスタシアと、お互いに理解し合い、それぞれが満足するプレイを見つけた理想的なセックスライフ。大団円で、幕でございます。
まあ、映画としてはそれでよいと思います。ハッピーエンドで。
しかし、それではクリスチャンの性欲を完全に満たすことはできないでしょう。彼は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で、自分のことをこう語っています。
アナ「サディストってこと?」
クリス「ドミナントだ」
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
まあ、家に初めて来たMでもない女性に自分はサディストだなんて言わないですね。あくまでプレイ好きなんだという体です。しかし、後々『ダーカー』にて、その呼称をひっくり返します。
アナ「いつかまたあなたがドミナントになる日が来るかもしれないでしょ」
クリス「ドミナントじゃない。僕は……正しくはサディストだ。女性を罰することが快感なんだ」
『フィフティ・シェイズ・ダーカー』
実際のところ、女性のお尻をペンペン叩くプレイが好き、くらいでは精神医学的には性的サディズムとはみなされません。しかし、『グレイ』で、本気でやりたいことを見せてくれと言われたクリスチャンは、アナのお尻を本気で6度鞭打ちます。それはサディズムでしょう。
(クリスチャン含め、多くは子供のころに深層に形作られた)人間の性的嗜好は、そうそう変わらないし、変えられないです。
この映画では、愛と性欲をまとめて一緒くたに扱っていますが、実際は違います。
アナはクリスチャンの性的サディズムを満たせないし、多分満たすべきでもない。しかし、クリスチャンはその欲を満たせる手段を、見つけ出さなくてはいけなくなるはずです、絶対に。
2人の子の行く末は、その時に2人が何を考え、何を認められるかにかかっています。
はいはい、そんなわけで、全5回にわたって見てきた「フィフティ・シェイズ」シリーズのスパンキングもこれにて終了です。ありがとうございました
もし余裕があれば、原作小説もちょっと見ていきたいですね。では!