




「スリッパリング」って何でしょう。スリッパを履くこと? いえいえ、スリッパリングも立派なお仕置きです。今回は、英語の動詞 slipper がもつ「スリッパでのお仕置き」の意味と、スリッパでのお尻ペンペンについても見て行きましょう。
七峰こんにちは、インプリメント担当七峰です。
靴を脱ぐ日本に比べて、西洋の家庭ではスリッパはより「すぐ」手が届く存在ですね。ただ、ちょっと今回は別の視点でスリッパを考えてみましょう。
スリッパはご存じでしょう。もちろん履物です。室内土足の文化がない日本においても、冬のフローリングにはなくてはならないアイテムの一つです。
さて本題。履物のslipperはもちろん名詞ですが、slipperの動詞形もあります。
slipper
ジーニアス英和大辞典
【他動詞】<子供>をスリッパでひっぱたく。
七峰やだなあ、まるでお尻以外に叩く場所があるみたいなもの言いですね
明示した方がわかりやすいでしょう。
「上靴で(主に尻などを)打って懲らしめる」
とかでいいじゃないですか。なんか辞書っぽいですし。
ちなみに英英を片っ端から引いていったら slipperの意味として「尻をスリッパで何度も叩く、体罰の一形態」とまで定義してくれているものもありました。さすが Wiktionary!。
Wiktinary は「辞書」じゃなくて「Wiki」だけどね。誰かが監修しているわけじゃない
七峰あんた何言ってるの。偉い学者が書いた辞書の定義より、沢山のユーザーが自分の使用感に基づいて書いた定義の方が世の中に即しているでしょ
なんか、それっぽいけど適当なこというなよ
スリッパリングという単語を「お仕置き」のコンテクストで訳する、それは日本語では「スリッパ叩き」となるわけです。もちろん単語の正確な意味としては、スリッパで頭を一発 スパコーン とはたくのもスリッパリングでしょう。
とはいえ、その行為をわざわざ「スリッパ叩き」とは呼ぶのは大げさかと思います。やはり複数回バシバシ叩かないと。太ももや手なら複数回スリッパで叩くのをスリッパリングというのは十分アリかもですね。
別にここでスリッパリングの厳密な定義を決めたいわけではありません。とりあえずは共有できるイメージを作りたいなと思いまして。お尻をスリッパでビシビシと何度も叩くイメージを。
その上で、次のトピックに行きます。
スリッパ、スリッパと書いておいて恐縮ですが、slipperingのslipperは日本人が思い浮かべるふかふかのスリッパとは限りません。

もちろんこのスリッパかもしれませんが、恐らくそんなに痛くないでしょう…… 先ほどはジーニアス英和でしたが、リーダーズ英和辞典の説明を見ると、
「上靴で打って懲らしめる。」
と、上靴となっていますね。上靴とは、もちろん外履きではない、上履き、つまり室内用の靴のことです。こちらの靴をご覧ください。

これはスリッパ、ではなくプリムソルというタイプの靴です。
このプリムソル、学校で、特に屋内での運動に使われるラバーシューズです。こいつがslipperingでよく出てきます。あと、ジムシューズと呼ばれる、日本でもよくあるような運動靴も出てきます。何を言いたいかというと、ここでの「スリッパ」とは室内用の靴を指しているわけです。
七峰これはスリッパという単語が上履きを示しているわけじゃなくて、お仕置き道具の上履きを「スリッパ」と俗に呼んでるわけですね
イギリスと言ったらケインのイメージが強いですが、ケインは良くも悪くも大袈裟です。それに対して、その場での簡易的な体罰(オンザスポット)として使用できるのが、この上履きによるお尻叩きです。恐らく、日本人のイメージに合わせて考えると
「スリッパでお尻叩きのお仕置き」
というより、
「上履きでお尻叩きのお仕置き」
「体育館履きでお尻叩きのお仕置き」
「運動靴でお尻叩きのお仕置き」
と言った方が、お仕置きのレベル感が合っている気がします。診療所とか歯医者とかで履き替える、薄いスリッパでペシペシされることはないのかというと、そもそも下ばきを脱がないので、するっと履けるその形状の履物があまりないと言った方がいいのかもしれません。
あ、でもサンダルはありますね。
七峰軽めのやつでは、サンダルが使いやすそうね
サンダル(フリップフロップ)をスリッパというのは、どちらかというとアメリカ系の英語だと思います
というわけで、スリッパリングはイギリス系統のスパです。前述のように、他の道具に比べて比較的罰レベルの低い、即時的なお仕置きに主に使用されました。一応、一部の学校では正式な体罰道具として規定していました。
かつてですよ、かつて。体罰が合法だった時代です。
「ケインは男子生徒、スリッパは女子生徒」
なんていう記述をWikipediaで見ました。、これは調べた限りは校則とかで決めている類のものではなさそうですが。信条的な?
ただ、罰として2つの強さが違うということは、よくわかります
ちょっとぼかしつつですが、BBCの報道Archiveのに、昔(戦後ですが)イギリスのとある男女共学高校で、1年間でのべ1800発のスリッパリングが行われた記録がありました。約45分に1回(!)生徒の尻が叩かれていた計算になるそうで。ちなみに、当時でもこの体罰回数は異常で、上記の学校は新聞に「slipper school」と呼ばれるスキャンダルとなりました。
校長は次の年、体罰の合計打数を減らすため、スリッパに代わり、廃止していたケインの導入を検討していることを地元紙が報じています。
七峰ごめん、マジレスして申し訳ないけど、
「記録される罰の打数を減らすため、廃止していたケインの導入を検討」
って、バカかな?
なお、その校長は同年のうちにクビになった模様。
特別企画で日本語版を作成している『“Frank” and I』では、“フランク” ことフランシスが、預けられた家でスリッパによるお尻叩きを受けるシーンが出てきます。
七峰やっぱイギリスね
レズリー様は、ご自身の上靴を一足お脱ぎになり、私の脚を左で掴むと、私のお尻をひどく打ち始めたのです。
Mrs. Leslie leisurely took off one of her slippers, then she held my legs with her left hand, and began to spank me very severely;
『“Frank” and I』, Anonymous (1902)
もちろん、生ケツです。
まあ、時代とシチュエーションがあれとはいえ、女の子の生ケツを、今まで履いていた靴の裏で殴打するのは、ちょっとかわいそう……
七峰普通にトイレとかにも行ってる靴よね、やだ~
かわいそうに思う前提箇所、ずれてない!?
これ、物語的に超重要シーンなので、映画版でもシーンあったはず。ちょっと待ってくださいね……それを見れば……
『Lady Libertine』(1984)
って、ハイヒールじゃん!!
七峰期待していたのと違う
いや当たり前でしょ。19世紀に体育館履きがあるわけないよね
そうなんですよね。
ケインやパドルのような専用道具ではなく、日用品である限り、その単語の持つ意味はとても広い。結局、広い意味で捉えると「スリッパリング」は、「靴でのお尻叩き」という感じに集約されていくことになります。
七峰あ、こいつ話から逃げた

上の“フランク”じゃないですが、本来は汚い、靴の土を踏む部分で叩くというのは屈辱的であり、なおかつ支配的な行為です。BDSMのフェムドムでも、女王様が下僕を足で踏み踏みするのはあいさつ代わりですね。
プレイとしてあえてスリッパリングを行う時は、そういった追加の効果を見込むことができます。でも、ぶっちゃけ靴って持ちにくいし叩きにくい? そんなあなたに、OTKに特化した持ち手が短いブートパドルも、色々なものがでています。
Jack Boot Over The Knee Paddle
Terrible Toy Shop
攻撃時の効果は、サブのお尻によくある「SLUT」とかの罵倒が書かれているパドルと同じような屈辱を刻み込むこと。
あれ、でもブーツって外履きじゃないの?
七峰あんたね、BDSMのプレイ用品なんだから、それに外用中用なんてないでしょ。というか基本、中用よ。そういう意味では十分スリッパリング。
詭弁じゃないか……
でもまあブーツでのお仕置きをブーティングとは言わないし、やっぱり「スリッパ」という単語は、お仕置き界隈ではちょっと特別な地位にあるよね
(あ、boot”s” じゃなく boot paddle なのは1足だからです)