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『“Frank” and I 』3部第20章: 終わりよければすべて良し【英国スパンキング小説】

― 結び。
― ドーラとマルティネ。
― フランシス、再婚する
― 悔恨
― 花嫁の別れの挨拶
― 母となったフランシスの幸福
― 操り人形たちの、それなりに満足な結末
― “終わりよければすべて良し”

 時は流れ、フランシスの結婚式はもう1週間後に迫っていた。彼女は僕をギルバートに紹介してくれたが、実に感じのいい男で、何よりフランシスのことを心から愛している様子だった。彼女もまた彼を愛しており、ふたりの結婚生活はきっと上手くいくだろうと僕は思った。

 僕の “被後見人” が良い夫を得ることに僕も安心したし、彼女が大切に扱われ、そしてちゃんと “イかして” もらいさえすれば、誠実な妻になるだろうという確信もあった。

 この数週間、彼女は婚約者と外出することが多く、そのおかげで僕はミス・マーティンとの楽しい午後を過ごす時間が取れた。彼女の希望どおり、男女が交わうさまざまな体位を、僕は手取り足取り一通り教えてあげたのだった。

 ドーラは、ミス・マーティンが推薦した寄宿学校へ入学していった。ある日の午後、彼女が僕にこう話してくれた。その学校の校長は非常に厳格な指導方針の持ち主で、「悪い子の臀部に、正統的な方法でしっかりと与えられるお仕置きこそ、最も効果的な教育である」と固く信じているのだという。

 さらにミス・マーティン嬢は続けた。その校長は、女の子の柔らかな皮膚を傷つけやすいという理由から、バーチは使用せず、別の鞭を使っているのだそうだ。それは、いつもフランスで「マルティネ」と呼ばれている道具、細い革紐が6本ついた小さな鞭のようだった。マルティネは鋭く痛みを与え、悪い子の尻に真っ赤な筋を残すが、皮膚を傷つけることはなかった。お仕置きは個室で非公開で行われ、生徒たちは、お仕置きを受けるあいだ、クッション付きの木馬に縛られるのだという。

 ミス・マーティン嬢は笑いながら言った。

 「ドーラは、すぐに木馬に乗せられることになるわ。そして本当のお仕置きというものがどんなものか、身をもって知ることになるのよ。あの子、今まで一度も厳しい鞭を受けたことがないんだから」

「かわいそうなドーラ」

 僕は同情するような口調でつぶやいた。

 すると彼女はすぐにこう返した。

「まあ、そのくらいしないとダメよ。あの子にはいい薬が必要なの。あなた、知らないでしょ? 最近あの子、ほんとうに手に負えなかったのよ」

 そのあと僕たちは話題を切り替え、本題に移った。

 その日の午後は、僕は彼女を一度お尻ペンペンし、二度交わった。

 結婚式までの数日は、特に何事もなく、あっという間に過ぎていった。そしてついに挙式の日がやって来た。僕は約束どおり、フランシスの「後見人」として、彼女を送り出した。

 彼女はこの上なく上品な装いをしていて、まさに完璧なセンスだった。30歳とはいえ、彼女は今も変わらず美しい女性だった。だからこそ、もう二度と彼女を抱くことはないのだと思うと、ふくよかな尻や張りのある胸に触れる悦びすら味わえないのだと思うと、僕の心には、ほんの少しの悔いが残った。

 結婚披露の朝食会には、新郎側の親族を含め、大勢のゲストが集まっていた。定番のスピーチがいくつか交わされ、すべては滞りなく進んだ。

 フランシスは上機嫌だった。そしてハネムーンへ出発する準備のために部屋を出る直前、彼女は僕をそっと人目のつかない場所に連れ出し、キスをひとつくれた。それから、静かにこう言った。

「チャーリー、私は夫を愛してる。そして彼に誠実でいるつもり。でもね、あなたが私にしてくれたすべてのこと、あの日、私を家に迎えてくれてから、今日までの優しさを……私はきっと一生忘れない」

 僕は彼女の手首に、結婚祝いのブレスレットをそっとはめた。そして最後のキスを交わし、別れの言葉を告げた。彼女は軽く駆け足で階上の部屋へと向かった。

 やがて支度を終えたフランシスが階下へ降りてきて、新婚のふたりは馬車に乗り込んだ。祝福のライスシャワーに包まれながら、イタリアへと新婚旅行に向けて、チャリング・クロス駅へと出発した。

 こうして、僕の恋人は、2度目にして、永遠に、僕の人生から去っていった。 翌日から僕は、オークハーストの自宅へ戻り、昔ながらの田舎貴族としての生活に、再び落ち着いていった。


 あれから5年が経った。

 いま僕は再びこの筆を取り、物語に最後の仕上げを加えようとしている。

 いまのフランシスは、ふたりの小さな子どもを育てる、ふくよかで堂々とした35歳の母親だ。彼女と夫のギルバートはとても幸せに暮らしており、生活も豊かで、一年のうち半分はロンドンで過ごしている。僕が訪ねたいと思えばいつでも、彼らの家は快く迎えてくれる。

 ギルバートと僕は、今ではとても良い友人同士だ。彼は、僕がフランシスにとって「後見人」以上の存在だったなどとは、これっぽっちも疑っていない。フランシスのほうも、僕に対してはすっかり娘のようなふるまいで、再会するたびに、ふたりで昔のことを懐かしく語り合い、笑いあっている。

 ミス・マーティンは、フランシスのもとを離れたあと、ある家庭で良い家庭教師の職を見つけたようだった。彼女はそこでしばらく勤めていたが、所在不明だった夫が南アメリカで死去したのを知ると、その後再婚した。それ以来、僕は彼女に一度も会っていない。

フランシスのふたりの継子は、父方の親族と暮らしているが、たびたび継母を訪ねてきており、僕もよく彼らに会っている。

 ロバートは陸軍に入るための勉強をしている。ドーラは僕が予想していたとおり、見事な若い女性へと成長した。背が高く、均整の取れた体つきで、まさに神がかった美しさを身にまとっていた。彼女はすでに婚約している。

 これで僕の物語は終わりだ。

 50歳になった今でも、僕は健康で、まだ若い時のようにワインを楽しむことができるし、美しい娘に心をときめかせることもできる。

 けれども、長い冬の晩、夕食を終えたあとに広い食堂でひとり静かに腰掛けていると思いだすのであった。

 最大の愛情を持って、僕に誠実に接してくれた一人の女性に姿を変えた、20年前、道ばたで拾った “フランク” というとある少年のことを。


THE END


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